2009 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム一塩基レベル変異解析に基づくストレス耐性細胞の創製
Project/Area Number |
21360401
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 浩 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00226250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 力 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00372631)
平沢 敬 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20407125)
小野 直亮 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 特任准教授 (60395118)
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Keywords | ゲノム / DNAマイクロアレイ / 変異解析 / ストレス耐性 / 進化工学 / バイオプロダクション / 発現プロファイル / 比増殖速度 |
Research Abstract |
本研究では、実験進化系を用い、ストレス環境下においても高い比増殖速度で生育する細胞を創製し、その表現型を与えるゲノムや遺伝子発現の変化を明らかにすることを目的としている。本年度はバイオエタノール生産において問題となる高エタノール濃度環境をストレス環境として設定し、対数増殖を保つよう初期植菌量を調整しつつ、24時間の間隔で植え継ぐ培養系を確立した。大腸菌W3110を親株として、合成培地に5%エタノールを添加した環境下での人工進化培養実験を6系列行った。この環境において、約800世代以上(2,250時間以上)の培養を行った。親株の比増殖速度がストレス環境下で0.17(1/h)程度であったのに対して、800世代後には0.3(1/h)以上にまで上昇した。これは、複数系列で同様の現象が見られたことから、進化工学により高エタノール濃度に対する耐性株が得られたことが明らかとなった。比増殖速度の上昇が落ちつくまで、一定時間間隔で細胞ストックを作成しつつ、植え継ぎ培養を継続した。さらに、得られた高比増殖速度を持つ株に対して、一塩基レベル変異検出DNAマイクロアレイ技術を用いて全ゲノム変異解析および遺伝子発現解析を行った。 今後、変異解析において、表現型の変化とのゲノム中に起きた変異との関係、また、株間で共通に見られる変異や、変異が集中している遺伝子や遺伝子機能カテゴリをスクリーニングすることを計画している。また発現解析においては。高エタノール環境下において高い増殖能を持つ株が、どのような発現プロファイルの特徴を有するのか、さらには、株間における共通点と差異を明らかにする。
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