2010 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム一塩基レベル変異解析に基づくストレス耐性細胞の創製
Project/Area Number |
21360401
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 浩 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00226250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 力 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00372631)
平沢 敬 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20407125)
小野 直亮 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 特任准教授 (60395118)
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Keywords | ゲノム / DNAマイクロアレイ / 変異解析 / ストレス耐性 / 進化工学 / バイオプロダクション / 発現プロファイル / 比増殖速度 |
Research Abstract |
本研究では、長期植え継ぎ培養に基づく実験進化系を用い、ストレス環境下においても高い比増殖速度で生育する細胞を創製し、その表現型を与えるゲノムや遺伝子発現の変化を明らかにすることを目的としている。バイオエタノール生産において問題となる高エタノール濃度環境をストレス環境として設定し、独立に6系列の進化実験を行った。その結果、親株に比べて2倍近い比増殖速度を持つ進化株6株を取得することに成功した。 独立に得られた進化株6株および親株の非ストレス条件下、ストレス条件下においてDNAマイクロアレイを用いて、網羅的遺伝子発現解析実験を行った。取得されたデータを主成分分析(PCA)に供したところ、第一主成分および第二主成分の2次元プロットにおいて遺伝子発現データは、ストレスに対する応答の方向と進化適応による変化の方向に分解することが可能であることが分かった。特に、ストレスに耐性を賦与する可能性をもたらす進化適応の変化は第二主成分に示されていることが示唆された。そこで、第二主成分に高いローディングスコアを示す遺伝子を探索したところ、アミノ酸を合成する遺伝子群が発見された。その有効性を確認するために、親株においてエタノールストレス環境下で培地中にアミノ酸を添加して培養を行ったところストレス環境下で増殖速度が上昇することが分かった。また、全ゲノム一塩基レベル変異解析を行ったところ、6株すべてにおいて、ゲノムに変異が起きていることが確認された。今後はその詳細解析を進め、進化工学によって得られたストレス耐性株の細胞内状態変化に迫りたいと考えている。
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Research Products
(12 results)