2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規な濾胞樹状細胞株を用いる抗体の親和性成熟機構の解明とその応用
Project/Area Number |
21360405
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大森 齊 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70116440)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 体細胞高頻度突然変異 / アポトーシス / B細胞株 / 胚中心 / 親和性成熟 / 濾胞樹状細胞 / 抗体医薬 |
Research Abstract |
株化濾胞樹状細胞(FDC)FL-Yを用いる独自のin vitro B細胞選択系を構築し、親和性成熟の基本的機構である胚中心におけるB細胞の生死を決定する機構を解析した。さらにこれらの研究成果に基づき、抗体を効率的よく取得できる抗体作製システムの開発も行った。主な検討項目は以下の3点である。 1)FDC上でのB細胞の選択機構の解明: マウスB細胞とFL-Y細胞との共培養系で、胚中心での高親和性B細胞の選択過程を再現できる実験条件を確立した。その結果、IL-21単独ではB細胞の生存は促進されるが、FL-Y由来の低分子可溶性因子プロスタグランジンE2がB細胞にIL-21と同時に作用すると細胞死を誘導することを見いだした。この細胞死(アポトーシス)にはBimタンパクとそれを誘導する転写因子Foxo1が関与することを明らかにした。 2)B細胞の増殖促進とセントロブラストへの分化誘導機構の解析 胚中心でB細胞は活発に分裂し、抗体遺伝子に変異を導入するセントロブラストに分化するが、この過程を指令するメカニズムはほとんど分かっていない。我々は、FL-Y細胞と共培養した脾臓の非B非T前駆細胞から分化する新規な骨髄系細胞FDMが、B細胞のセントロブラストへの分化や活性化B細胞の増殖を促進することを見いだした。また、FDMの分化にはFL-Y由来のサイトカインIL-34が主要な役割を果たすことを見いだした。 3)培養B細胞を用いる抗体作製システムの開発: 我々は、抗体遺伝子を変異させる能力を保持した新規ニワトリB細胞株DT40-SWを用いて、培養細胞のライブラリーから効率的に抗体を取得できるin vitro抗体作製システムを開発しつつある。上記1)、2)より得られた成果に基づき、点突然変異頻度を向上させ、高親和性抗体を産生するクローンを効率よく単離する方法を確立した。
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[Journal Article] Enhancement of hypermutation frequency in the chicken B cell line DT40 for efficient diversification of antibody repertoire.2010
Author(s)
Magari, M., Kanehiro, Y., Todo, K., Ikeda, M., Kanayama, N., Ohmori, H.
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Journal Title
Biochem.Biphys.Res.Commmun.
Volume: 396
Pages: 353-358
Peer Reviewed
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[Journal Article] Efficient affinity maturation of antibodies in an engineered chicken B cell line DT40-SW by increasing point mutation2010
Author(s)
Kajita, M., Okazawa, T., Ikeda, M., Todo, K., Magari, M., Kanayama, N., Ohmori, H.
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Journal Title
J.Biosci.Bioeng.
Volume: 351
Pages: 351-358
Peer Reviewed
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