2010 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞及び人工多能性幹細胞の肝分化誘導プロセスの開発とバイオ人工肝臓への応用
Project/Area Number |
21360407
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水本 博 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90346817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 稔尚 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10194747)
井嶋 博之 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10274515)
中澤 浩二 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (00304733)
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Keywords | ハイブリッド型人工肝臓 / ES細胞 / iPS細胞 / 肝細胞 / 分化誘導 / 再生医療 |
Research Abstract |
1)カニクイザルES細胞へのオルガノイド培養法の適用による特性評価 マウスES細胞、iPS細胞を用いた知見をもとに、中空糸内部でオルガノイドを形成することによって肝細胞への分化誘導を行う培養法のカニクイザルES細胞への応用について検討を行った。旺盛な増殖能を有するマウス細胞と比較して、霊長類細胞は増殖速度が遅く、また酵素処理によって細胞を単一細胞の状態まで分散すると著しく増殖活性が低下することが報告されている。そこで、まずは中空糸内部での増殖能に着目して評価を行った。中空糸内部に分散状態にしたサルES細胞を播種し、遠心力を利用して細胞密度を高めることによりオルガノイド形成を誘導し、培養を行った。その結果、オルガノイドを形成したサルES細胞は中空糸内部で増殖することが示された。一方、単層培養条件下において、分散状態のサルES細胞は増殖活性を示さなかった。この結果、分散条件下において低下するサルES細胞の増殖活性は、オルガノイド形成により回復することが示された。一方、サルES細胞の倍加時間はマウス細胞の約3-4倍に増加した。この結果、時間スケールに対する中空糸内部での増殖挙動はマウス細胞とサル細胞では異なり、肝分化誘導因子の添加の時期については再検討の余地があることが示され、肝特異的遺伝子の発現時期等の比較を進めている。 2)オルガノイド培養法の分化誘導法としての有用性評価 従来法である単層培養法を比較対象として、オルガノイド培養法の肝分化誘導法としての有用性についてマウスES細胞を用いて検討を行った。この結果、我々が用いている肝分化誘導因子の添加条件は、単層培養を行ったES細胞に対して明確な肝分化の誘導を示さなかった。以上の結果、ES細胞から肝細胞への分化誘導において、オルガノイドという培養形態も有効な一つの因子であることが明らかとなった。
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Research Products
(16 results)