2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化の人工誘導経路を短時間で最適化する方法の研究
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21360409
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤渕 航 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 研究チーム長 (60273512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正人 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 連携研究体長 (60344173)
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Keywords | 細胞分化 / バイオインフォマティクス / 組み合わせ探索 / siRNA / 転写因子 |
Research Abstract |
a)細胞アレイによる大規模siRNAアッセイ系の確立と複数因子による細胞分化解析 昨年度構築した細胞分化DBから得られた100転写因子のsiRNAを間葉系幹細胞に同時に導入するため、細胞アレイを用いて、実際に間葉系幹細胞から脂肪細胞を分化させた時のマーカー遺伝子の発現量とそのタンパク質量を同時測定する系を確立した。また900スポットの細胞に短時間に均一だが異なる種類のsiRNAの取り込みを行う条件(温度、撹拌時間、試薬量など)の最適化を検討した。さらに、細胞アレイを用いる前段階として複数の転写因子のsiRNAでのノックダウンに成功し、相乗効果による脂肪細胞への分化促進性の結果が得られた。 b)siRNAデータから適切な10遺伝子の選択と転写因子の依存関係解析 昨年度選択した細胞分化に関係する100転写因子候補についてさらなる選択を行った。siRNA実験で得られた結果のデータをもとに転写因子の働く時期、程度、他の転写因子等への依存度などを解析し、10遺伝子ネットワークをできる限り推定した。このネットワークでは、BMP4などの外部シグナルによって脂肪細胞への分化を促進するように作動する遺伝子群と、反対に筋肉細胞への分化が押さえられる遺伝子群が浮かび上がって来た。このネットワーク構造は実験結果とよくマッチしていることが確認された。また、脂肪分化の際に発現が活性化される転写因子についても分化促進因子となる候補を統計的に推定した。
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