2010 Fiscal Year Annual Research Report
デトネーション推進の新展開:デトネーション共振機構と環状エンジンの研究
Project/Area Number |
21360411
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
笠原 次郎 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60312435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 亜紀子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70276418)
亀田 敏弘 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (40302393)
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Keywords | デトネーション / 航空宇宙工学 / 再使用型宇宙輸送機 / 熱工学 / 新エネルギー / 空気吸い込み式ジェットエンジン / ロケットエンジン / 発電用タービンエンジン |
Research Abstract |
本研究では、デトネーション開始装置がなくとも、航空燃料にデトネーション波を安定的に伝播させることができ、かつ、高周波数(高推力密度)で作動する、デトネーションエンジン機構(「環状デトネーションエンジン」及び「デトネーション共振機構」)を提案し、その物理機構を実験、数値解析によって確認・解明する。平成22年度には、デトネーション共振機構の研究として、(1)デトネーション共振機構として160Hzの回転バルブを用いたエンジン作動においてPDEサイクルの完全可視化に成功し(2)閉管端近傍でのデトネーション遷移過程を詳細に解明し、その特性時間に関して、見かけの燃焼波の伝播速度からDDT (Deflagration-to-Detonation Transition)に至る時間を決定しな。また、(3)160Hz安定作動によってIsp232秒、推力71Nを達成し、飛行試験への見通しを得た。最後に(4)アルミor FRPタンク、各部エンジンスケーリング則、飛行軌道を検討し、飛行試験には多気筒化が必須との結論を得た。環状デトネーションの研究として、(5)環状デトネーションエンジン内のデトネーション波面形状とセルサイズとの同時観測を実現するMSOP(Multi-frame Short-time Open-shutter Photography)法の開発に成功し、(6)環状デトネーションエンジンのための安定作動条件及び波面形状予測式を昨年度より格段に高精度化した。また、(7)環状デトネーションエンジンを模した試験装置を製作・試験し、環曲率半径へのデトネーション波の伝播速度の依存性を定量的に求めた。最後に(8)環状デトネーションエンジンの推進剤供給壁面として、デトネーション波を十分減衰させるためには、多孔壁の単位体積あたりの空隙面積×厚みで整理可能であることを明らかにした。
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