2011 Fiscal Year Annual Research Report
スマートストトラクチャ素子を活用した翼型失速回避制御システムの構築
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21360412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李家 賢一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20175037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 保人 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50216488)
今村 太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30371115)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 流体工学 / 剥離流 / 流体制御 |
Research Abstract |
翼型上に生ずる層流剥離泡は、迎角を上げていくと突如崩壊し、翼型失速を引き起こす。現在のところ層流剥離泡の崩壊を予測することのみならず崩壊のメカニズムも未だ完全には解明されていない。本研究では層流剥離泡崩壊の抑制と翼型失速の回避を目的とした「剥離泡崩壊制御板」について、より効果の高い失速制御を可能とする機構と失速制御手法を確立することを目的とする。そのために、剥離泡崩壊の原因と考えられる剥離泡から放出される渦構造の生成を制御するスマートストラクチャ制御機構を用いて剥離流れ場の制御を試みる研究を行っている。 研究3年目である平成23年度は、過去2年間に行った各種剥離制御板に関する実験結果等をもとに計測を継続した。 1)剥離泡崩壊制御板、崩壊制御板駆動装置ならびに翼前縁に設置した失速予兆検知用圧力計測装置を翼型模型に組み込む事で、翼型失速回避機構装置を作り上げた。 2)剥離制御板の動作と失速予兆検知用圧力計測との関連を確かめる計測を行った。 3)翼型表面圧力測定と三分力測定を行い、本機構装置の効果を確かめる計測を行った。 4)PIV装置を用いた翼型模型まわりの流れ場計測を行い、装置の故障もあり予定よりも期間はかかったが、更に細かく本機構装置の効果についての知見を得た。 5)翼型に関する数値計算の検討を行った。 6)研究結果をまとめて学会発表を行った。また本研究に関連する低レイノルズ数における翼の空力特性に関する実験結果をとりまとめて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、層流剥離泡の崩壊を制御することによって失速を抑制することを目的として、この失速制御機構に関して最大の効果を挙げる失速制御機構を確立することにある。研究3年目における第一の目標は、剥離泡崩壊制御板、崩壊制御板駆動装置ならびに失速予兆検知用圧力計測装置を翼型模型に組み込む事で、翼型失速回避機構装置を作り上げることにあった。この点に関しては、本年度達成することができたと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究の最終年度であり、本年度作り上げた翼型失速回避機構装置を用いた計測を継続するとともに、過去3年間に行った各種剥離制御板に関する実験結果も含めた研究成果のまとめを行う。
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Research Products
(6 results)