2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360414
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 晃 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40356530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 典秀 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (50524097)
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Keywords | 宇宙利用・探査 / 自律制御 / 収差補正 / 空間位相変調 / 完全画像 |
Research Abstract |
大部分の衛星搭載用光学センサで採用されているプッシュブルーム方式の撮像においてはプラットフォームの姿勢の時間変化がそのまま取得画像の歪みになってしまう。得られた生データを処理する際に、各ピクセルの時刻および画素番号もあわせて付加することで、幾何補正済みのデータを生データと同様に扱うスキームを考案した。それに基づいて、地球観測センサASTERの幾何補正モジュールおよびステレオ視によるオルソ化処理モジュールにアルゴリズムを組み込み、2時期の観測データからプラットフォームの姿勢変動による視線方向の揺らぎを取り除き、地震による3次元の地殻変動を0.1画素以下の精度で計測できることを明らかにした。とりわけ、衛星姿勢変動のピッチ成分およびヨー成分の検出により、従来困難とされてきた、高さ方向の変動を求めることが可能となった。また、本計測法をさらに高精度に、しかも短基線のステレオ視に利用できるように、位相相関法を用いた補正法を確立した。 地球観測センサの補償光学システムに関して、複数画像による波面推定手法、波面推定に最適な画像マッチング手法、これらの手法を用いた地上実験に関する研究を行った。波面推定では、観測画像から、波面収差を推定する問題が、ill-posedな逆問題(ブラインドデコンボリューション問題)であることに留意し、Phase Diversity法を適用した。この逆問題をオンボードで解くために、計算負荷を軽減する計算手法を考案した。波面推定に最適な画像マッチングでは、画像間の画素の変位を未知パラメータとして、収差推定の逆問題に取り込み、収差パラメータと同時に推定する手法を考案した。さらに、波面推定実験では、無限遠観測模擬装置によって地球観測を模擬した観測パターンを配置し、波面センサによる観測データをリファレンスとして定量的に評価するシステムを構築した。
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