2010 Fiscal Year Annual Research Report
多層膜コーティングチップによる電気推進機の寿命評価
Project/Area Number |
21360415
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 義博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50134490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小紫 公也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90242825)
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Keywords | 電気推進機 / ホールスラスタ / イオンエンジン / 寿命評価 / 薄膜コーティング |
Research Abstract |
・多層膜コーティングプローブのホールスラスタへの適用 本年度は,前年度開発を行った多層膜コーティングチップを用いた損耗量計測法をホールスラスタに適用した.特に,ホールスラスタの作動に顕著な放電振動現象の有無によって,電極損耗量がどのような影響を及ぼすのかを検証した結果,放電振動が顕著な作動条件であるほど損耗量が大きい傾向にあることが確認された.また,他の損耗評価法である発光分光法による検証実験を行い,多層膜コーティングチップを用いた手法の優位性を示した. ・数値解析コードの開発 ホールスラスタの作動状態の電極損耗への影響を調べるためには,ホールスラスタ内部のプラズマ診断が不可欠であるが,電極付近のプラズマを計測するのは困難であるため,数値解析によって内部のプラズマの状態を模擬し,観測する. 最終的には,当研究室にて開発された非定常,非線形領域が解析可能な数値解析コードを,本研究で測定対象とするホールスラスタに適応し,電極損耗の効果を加え,ホールスラスタの電極損耗を模擬する数値解析コードを開発する予定である. 本年度は,昨年度に引き続き数値解析コードの開発を行い,推進機内部のプラズマの状態の変化に伴う電極損耗量の変化について,その原因を探った.また,計算結果と実験結果の比較により,正確な損耗評価のためには,放電室壁面の誘電体を含めた電場解析を行うことが有効であることを見出した.
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