Research Abstract |
【目的】 本研究では、(i)バイオ燃料(エタノールややし油など)の燃焼反応モデルを開発し,(ii)これらの液体燃料に対する蒸発モデルを構築し,(iii)実験を通して,バイオ燃料の火炎とデトネーションの構造を説明できる気-液二相数値解析プログラムを開発することを目的とした.これにより,航空機エンジン内の燃焼,パルスデトネーションエンジン燃焼,液体ロケット燃焼,自動車のエンジン内の燃焼,気-液混合気体の爆発安全性などの機構と問題点が解明できる. 【研究実施内容】 上記の目的と申請書に掲げた実施内容により,平成21年度は,実験において二相火炎バーナーの改良とデトネーション管のサイズの問題を明らかにすることを予定し,そのための二相デトネーション管の構築ならびに数値解析を中心に研究が進められた.二相デトネーション管はほぼ完成し,詳細の組み立て等ならびに一部の装置の調整などが行われた.二相火炎バーナーについては,平成22年度に実施したい. 【研究成果】 実験装置は製作・組立で終了しているので,研究成果としては主に数値解析による内容がほとんどである.バイオ燃料によるデトネーションの特性については,エタノールの総括反応モデルを用いて,数値解析した結果,数値解析によるデトネーション速度の予想が,他の研究者による実験値と良く一致していることが確かめられ,2009年12月に行われた燃焼シンポジウム(札幌)で口頭でその成果が報告されている.また,2010年9月に行われる国際会議においても詳細反応モデルによる数値解析結果を発表する予定である. その他,本研究に関連したデトネーションによる研究を発表し,本研究の重要な成果となっている.この場合,燃料を水素にしているが,火炎からデトネーションになる遷移過程が数値的に明らかにされたり,パルスデトネーションエンジンの数値解析や曲がり管内を伝播するデトネーション構造について明らかにしたりした.
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