2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際標準を目指した物理則ベースの船舶復原性評価手法の構築
Project/Area Number |
21360427
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅田 直哉 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (20314370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 博公 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30397731)
松田 秋彦 独立行政法人水産総合研究センター, 水産工学研究所, グループ長 (10344334)
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Keywords | 転覆 / デッドシップ / ブローチング / パラメトリック横揺れ / メルニコフの方法 / 平均法 / 区分線形近似力学系 / 大域的分岐 |
Research Abstract |
船舶の主要転覆シナリオ(デッドシップ・ブローチング・パラメトリック横揺れ)について、物理則ベースの安全性評価法の構築を試みた。デッドシップ状態の復原性については、区分線形近似による転覆確率推定理論を従来以上に厳密に誘導し、モンテカルロ法による数値実験でその検証に成功した。その数学モデルに含まれる、横漂流に伴う流体反力の着力点高さについては、3船型についての模型実験とCFD計算を行い、近似推定式を得た。また、メルニコフの方法で減衰力が微小という仮定を用いない新理論も構築した。ブローチングについては、メルニコフの手法を一般化することで波乗りに当たる大域的分岐限界を求める解析的理論を導き、その実験的検証に成功した。そして、波乗り領域外に発生するブローチングについて検討するとともに、不規則波中におけるブローチングによる危険確率推定に与える船規模の影響について調査し、それらを考慮した安全性評価法ついて考察した。さらに新形式船ではブローチング運動の推定が不十分となっていた問題については、これまでの4自由度数学モデルを6自由度モデルに拡張し、舵露出影響も考慮することで自由航走実験結果とのより良い一致を実現した。パラメトリック横揺れについては、実際に事故を起こしたコンテナ船について模型実験を行い、その危険性を定量化するとともに、平均法および3自由度数値シミュレーションでその推定が概略可能であることを示した。さらには、群波の理論と平均法を組み合わせることで、パラメトリック横揺れによる危険確率を推定した。
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Research Products
(7 results)