2011 Fiscal Year Annual Research Report
温室効果ガス排出量削減を目指した水素ガス切断プロセスの解明
Project/Area Number |
21360428
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大沢 直樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90252585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 淳司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90359670)
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Keywords | 酸素ガス切断 / 水素ガス / ピアシング / 熱伝導逆解析 / 非線形最適化 / 熱伝導 / 有限要素法 / 準定常熱伝導場 |
Research Abstract |
(1)平成22年度に開発した,移動熱源まわり準定常熱伝導場を,計算モデル中の熱源位置が不変なまま解析できる,熱伝導有限要素計算コードmovefluxに,固体燃焼発熱に起因して被切断材に流入する熱量を評価する機能を追加した. (2)平成22年度実施試験の供試体幅を2倍(250mm)に変更した大寸法試験板を使用して切断試験を実施し,被切断材温度とカーフ近傍のマクロ組織変化を計測した.マクロ組織観察結果は,カーフ近傍の幅方向温度分布の推定に利用した.これらの結果より,本研究の実験条件に適したカーフ前縁熱境界条件を見出した. (3)平成21年度に実施したピアシング予熱試験と同一の局所熱伝達条件と,(2)で定めたカーフ前縁熱境界条件を与えて,種々の切断速度で水素LP混合ガスおよびLPGによる予熱を行った際の準定常温度場をmovefluxにより解析し,カーフ前方の被切断材表面温度および固体燃焼に起因する入熱量を比較した.その結果,局所熱伝達率が大きな水素LP混合ガスによる予熱を実施すると,局所熱伝達率が小さなLPGによる予熱の場合と比較して,ピアシング発火時より大きな高温領域がカーフ前方加熱面に生じる切断速度範囲が高速側に拡大すること,発火条件を維持できる最も高速な切断条件における固体燃焼に起因する入熱量が減少すること,および,予熱ガスからの熱伝達と固体燃焼に因る入熱の総量が減少することが示された.水素ガス予熱による切断性能向上のメカニズムは,これらの結果により説明できる (4)movefluxを用いて,本研究の実験条件における水素LP混合ガスの局所熱伝達率分布が変化した際の,発火条件を維持できる切断速度上限と総入熱量の変化を解析した/この結果を用いて,水素LP混合ガス用火口を改良するための指針を得た.
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Research Products
(3 results)