2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模洋上風力発電のためのセミサブ型六角形浮体群の最適設計
Project/Area Number |
21360434
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
経塚 雄策 Kyushu University, 総合理工学研究院, 教授 (80177948)
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Keywords | 洋上風力発電 / セミサブ型浮体 / 六角形浮体 / 波浪強制力 / 係留力 |
Research Abstract |
平成21年度の研究では、セミサブ型六角形浮体の波浪中の安全性に関わる波浪強制力および波浪中動揺について、模型実験と数値計算によって検討した。セミサブ型六角形浮体は、本研究において初めて提案するものであり、浮体形状の特徴としては、六角形であり、半潜水式で多数の細い円柱をトラスとして使用しているので、形状は比較的複雑である。従って、浮体の波浪中の流体力および動揺性能については主として水槽模型実験によって推定した。 波浪強制力については、直径2.4mの模型を用いて2台の分力計によって実験的に計測して求めた。また、数値計算では、主要な構造部材(ロワーハル、カラム)についてはポテンシャル理論により、多数の円柱トラスについてはモリソン公式によって流体力を求め、両者の合力によって推定した。次に、波浪中の動揺については、六方向にゆるく張られたアンカー・チェーン係留の下で模型実験を行い、浮体運動のビデオ動画から動揺を求めた結果と、前述の方法によって計算された結果を比較した。これらの結果、六角形浮体の波浪中の流体力および動揺については、ポテンシャル理論による推定値がオーダー的に良い近似となることが確かめられた。 さらに、浮体の傾斜角は風力発電装置の許容傾斜角(±5°)以内にする必要があるので重要である。そのため、係留系としてはアンカー・チェーン係留を想定し、ランプドマス法による計算プログラムを開発するとともに、風車による転倒モーメントの影響を静的に考慮して浮体の傾斜角を求めた。この結果、六角形浮体の横揺れ復元力は風車による転倒モーメントに比べて大きいので、通常の場合にはほとんど問題ではないこと、50年最大風速の場合に約3°傾く程度であることなどが計算上分かった。ただし、この計算は定常力/モーメントを考慮しただけであるので、今後、動的な影響についても考慮する必要がある。
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