2009 Fiscal Year Annual Research Report
近接2重噴射弁を用いた舶用ディーゼル機関の低負荷域におけるNOx低減
Project/Area Number |
21360435
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田島 博士 Kyushu University, 総合理工学研究院, 准教授 (70179688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 講二 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (30154769)
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Keywords | 舶用機関 / ディーゼルエンジン / NOx規制 / PCCI燃焼 / ECA |
Research Abstract |
国際海事機構による船舶のNOx排出規制は2016年から第1次規制値の80%減,舶用燃料の低硫黄化については2015年初頭から規制海域では硫黄含有率0.1%m/m以下という苛酷な内容となり,海運国家たる日本は,前者については実用性の高いNOx低減策の提案および構築,後者については原油高騰化での留出油増産が求められている.従来の排気ガス再循環や選択還元触媒などは2ストローク舶用機関では硫黄分の存在や低い排気温度などが障害となっており,実現の目処が立っていない.本研究は,このような背景から,舶用機関では例がないPCCI燃焼(Premixed Charge Compression Ignition)を部分負荷の頻度が高い規制海域内に限定適用して,後処理装置や水噴射に依存しないNOx低減を実現することを目的としている. 初年度となる平成21年度においては,先ずLCOと軽油の混合燃料の燃焼特性をFIA(Fuel Ignitibility Analyzer)容器にて検証した.LCOのセタン価が15以下と極めて低いこと,燃焼性評価には熱発生率に対する多変量解析が有効であることを国際学会にて発表した.次に,混合燃料の燃焼性を予測するために軽重2成分での舶用燃料の近似モデルを導入し,軽質分が着火性を含めた全体の燃焼経過に大きく影響すること,LCOのPCCI燃焼への適用が可能なことを明らかにし,国際学会にて論文発表した.また,近接2重針弁による噴霧の分散制御については,実機用ノズルの慣性が遅れたため,定容燃焼器にて噴射率の可変制御にて分散が変化することを確認している.最後に,PCCI燃焼の事前準備として急速圧縮膨脹装置を新たに製作し,天然ガス予混合気のノッキング現象の観察に成功した.その成果は本年6月の国際学会にて発表予定である.
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Research Products
(22 results)