2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい硬化システムを用いたFRP船成形・修復技術の高度化の研究
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21360438
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
櫻井 昭男 独立行政法人海上技術安全研究所, 大阪支所, グループ長 (20373417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正夫 海上技術安全研究所, 大阪支所, 主任研究員 (80399526)
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Keywords | FRP / マイクロカプセル / 硬化剤 / インフュージョン / 補修・修理 |
Research Abstract |
最終年度にあたる本年度はマイクロカプセル封入硬化剤のインフュージョン成形への適用について検証した。 マイクロカプセル封入硬化剤を用いたFRPの試作では、これまでに試作したマイクロカプセル封入硬化剤を用いて、インフュージョン法によりFRP単板を制作した。強化材は580g/m^2のガラスロービングクロス2plyと600g/m^2チョソプドストランドマット3plyの認構成、並びにWFC8045ノンクリンプファブリック2plyの2種類、樹脂にはビニルエステル樹脂を用いた。繊維含有率はいずれもおよそ50wt%であった。また、マイクロカプセルの破壊は超音波破砕機と型加熱を併用した。強度試験の結果、破断強さについてはカプセル硬化剤使用の影響はほとんど見られないが、弾性率はカプセル硬化剤を用いることにより、汎用硬化剤の約6割に低下した。曲げ強度特性では、強さ、弾性率とも、カプセル硬化剤を用いたものは、汎用硬化剤のものの約8割に低下した。これらはカプセル残骸の存在が影響しているものと考えられるので、これまでの液中硬化法によるカプセルよりも微細化(φ0.1mm以下)が可能であり、またほぼ均一なものが得られる液滴合一法によるカプセルの製造を行った。ただし、微細化に伴い膜厚が薄くなり長期保存性に問題が生じる可能性があるため、低分子量メチルセルロースを膜材とした実験も行い、良好な結果を得た。さらに、より熱応答性に優れ、カプセル径をコントロールしやすい手法として、液中乾燥法によるカプセル硬化剤の製造を試行した。 実船適用の検証では、アルミ製模型ボートハル成形型を整備(加熱シートの貼付、断熱覆いの製作、温度コントロールシステムの調整、型表面の研磨、離型処理、面状発熱体の設置等)し、インフュージョン法による製作実験試験を行って、作業手順及び成形性の検証を行った。また、1/16テーパー突き合わせ補修継ぎ手にカプセル硬化材入り樹脂を適用し、引張せん断、曲げせん断試験を行って、その有効性を確認した。
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