2009 Fiscal Year Annual Research Report
CO2地中貯留のためのCO2反応性グラウトによる人工バリアー形成法の構築
Project/Area Number |
21360442
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 高敏 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (00184664)
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Keywords | 地球温暖化ガス排出削減 / 大深度地下 / 環境技術 |
Research Abstract |
有力な地球温暖化対策とされるCO2地中貯留においては,浮力によるCO2の上昇を防ぐためにキャップロックと呼ばれる天然のシール層構造の下にCO2を注入することが計画されている.しかし,地殻変動の激しい日本では特に,キャップロックを縦断する活断層が存在,あるいは,地震等によって新たな断層が発生し,そこを通してCO2の漏洩が起こる可能性が大きい.その対策として研究代表者は先に,原位置反応法と名付けた漏洩修復技術を提案した.この方法では,《反応性グラウトの注入》→《漏洩したCO2とグラウトの混合》→《反応生成物の析出》→《析出物による間隙の閉塞》,というプロセスを経て間隙が閉塞され,浸透率の低下した領域がCO2の流動を阻止する人工バリアーとなることを想定している.この手法の構築を目的として行った今年度の研究により,原位置反応過程で起こる化学反応と浸透性低下の物理過程を室内実験で調べるための装置を開発した.これによれば,深度千メートルに相当する封圧と温度を再現した環境中に,砂層を模擬した試験片を置き,その内部に反応性グラウトとCO2等を圧入した際に起こる現象を,圧力容器壁面に設けた4つの窓を通して目視観測することが可能である.さらに,従来から用いてきたCa(OH)2水溶液(Ca型)よりも粘性が小さく,かつ安定性の高い反応性グラウトとして,Na2O・nSiO2水溶液を利用できる可能性が明らかとなった.
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Research Products
(2 results)