2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360444
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 勝則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70251361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 誠介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90092155)
羽柴 公博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (60456142)
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Keywords | モルタル / 繊維補強 / 付着 / 力学特性 / ブリーディング |
Research Abstract |
繊維補強コンクリートに投入される通常の繊維寸法は,直径1mm,長さ20-30mm程度である.一般に材料強度は寸法効果を示し,繊維が細くなる(繊維のマイクロ化)ほど繊維の引張強度が上昇することが知られている.また,繊維の比表面積は繊維の直径に反比例し繊維が細くなるほど,繊維の比表面積は上昇する.繊維の比表面積の上昇は,繊維補強コンクリートにおける繊維の補強効果であるひび割れ強度,粘り強さ,耐久性に上昇につながり,繊維を細くすることで繊維の補強効果が向上することが予想される.本研究は,コンクリートに混入させる再生PETマイクロ繊維を開発し,コンクリートの剥離・剥落防止などの性能向上をはかることを目的とする. 昨年度は直径0.03mmのPETマイクロ繊維を開発し,繊維補強コンクリートのフレッシュ性状,付着特性,力学的特性に関する検討を行った.本年度は,直径0.12mmのPETマイクロ繊維を用い一軸圧縮試験,圧裂引張試験やマイクロドロップレット法を応用した付着強度試験などに関して検討を行った.その結果,繊維の混入により一軸圧縮強度や圧裂引張強度に関してさほど変化しなかったが,繊維混入率の増加により一軸圧縮試験での残留強度に関しては増加する傾向が見られた. 繊維のマイクロ化によって繊維の耐久性に影響を与える可能性が考えられる.そこで,世界で最初にPET繊維をコンクリートの補強に用いた菱刈鉱山で現地調査を行った.その結果,コンクリートは高いアルカリ性を示すが,6年経過したPET繊維はほぼ元の直径を維持しており,劣化が進行していないことを確認した.
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