2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックな大気変動観測のための三次元リアルタイムライダーの開発
Project/Area Number |
21360447
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河仲 準二 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (50264362)
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Keywords | レーザーレーダー / 大気環境計測 / 光散乱計測 / パルスレーザー / 高繰り返しレーザー |
Research Abstract |
大気環境の速い変化を計測可能な三次元リアルタイムレーザーレーダー(ライダー)技術を世界に先駆けて開発するために、平成21年度に新規開発した高繰り返し動作が可能なレーザー光源をライダー用光源としてブラシュアップするために以下の改善を行った。 (1) 高い空間分解能や白色光発生による多波長解析のために、レーザー光をナノ秒からピコ秒へ短パルス化を試みた。昨年度開発した、複数の高効率冷却基盤技術を融合した新型増幅器を用いてチャープパルス増幅試験を初めて行い、8mJ、0.4ns、100Hzのチャープパルス光を得た。得られたスペクトルから回折格子によるパルス時間圧縮により10ps程度のパルス幅が得られる予定である。レーザー動作時の最大エネルギーフルーエンスは約2J/cm^2であり高エネルギー密度動作に成功した。 (2) レーザー材料の温度上昇に伴う熱レンズや熱複屈折などの熱効果による波面歪みを補正するためにSBS(誘導ブリュリアン散乱)を使った能動波面補償光学システムを開発し、高い空間ビーム品質M_2<1.1を得ることに成功した。 (3) (1),(2)の試験で得られた増幅利得、時間波形、空間ビーム形状、偏光度などのレーザー特性から増幅解析モデルを構築した。その結果、同レーザー増幅手法を用いてレーザー口径を大きくすることでジュールクラスのピコ秒パルスが高い空間ビーム品質で得られることが予想できた。
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