2010 Fiscal Year Annual Research Report
希少金属回収を目的とする廃小型電子機器の高度識別分離・選択粉砕システム
Project/Area Number |
21360450
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古屋仲 茂樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (60357035)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 環境技術 / 希少金属 / 三次元計測 / 識別分離 / 選択破砕 |
Research Abstract |
レーザー3次元解析法による識別分離法の検討では、前年度作成した廃小型家電の構成部品・素材データベースのうち携帯電話とデジタルカメラについてサンプル数を拡充した。また、1998年~2007年に掛けて製造されたNTT社携帯電話製品51機種に使用されているTaコンデンサの数を製造年代別に調査したところ、2005年以降機種に関わり無く使用数が急減していることが明らかになった。これらを混合した状態で中間処理することは、Taの回収に向けて効率的とは言えない。そこで、本研究で開発したマルチニューラルネットワークを利用した識別アルゴリズムを適用した識別分離実験を行い、これらを製品レベルで選別可能であることを確認した。 選択粉砕技術の検討では、レアメタルを含有する重要な部品である携帯電話プリント基板とリチウムイオン電池を対象に粉砕試験を実施した。その結果、携帯電話プリント基板を特定の衝撃式粉砕機を用いて破砕した場合、砕製物に含まれる配線板と電子部品類の粒度には顕著な違いが生じ高効率な選択破砕がなされること、目開き5mm篩いを用いることでこれらを簡単に分離可能でありこのときレアメタルや貴金属の大部分が5mm以下の粒子群に濃集すること、さらに静電選別を行うことでTa品位を2.0wt%程度まで濃縮可能なことが分かった。また、リチウムイオン電池を対象とする場合は、焼成物を2軸圧縮せん断式破砕機と衝撃式破砕機を用いた2段階の破砕によって電極材、金属箔、筐体を構成する各種金属粒子に選択的に破砕が可能であり、砕製物の分級と磁力選別によってCoを回収率99.2%、品位49.2%で回収可能であることが分かった。
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Research Products
(6 results)