2011 Fiscal Year Annual Research Report
定常ST配位形成のための電子バーンシュタイン波モード変換・電流駆動機構の解明
Project/Area Number |
21360452
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出射 浩 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (70260049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 伸 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80170025)
福山 淳 京都大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60116499)
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Keywords | 電子バーンシュタイン波 / 位相配列アンテナ / 球状トカマク / プラズマ加熱電流駆動 / 反射計計測 / 輻射計計測 |
Research Abstract |
QUEST装置容器内で、開発してきた位相配列アンテナの動作特性を確認した。容器内に3次元スキャナーを設置し、アンテナからの放射電界を測定した。放射電界を吸収するプラズマがないため、QUEST装置容器がオーバーサイズの空洞共振器として動作し、励起された定在波とアンテナからの進行波が干渉するものの、伝播位相を適切に検出して位相配列を組む事で、放射電界を集束し、斜め方向の良好な指向性が確保できることを確認した。QUEST装置にアンテナ設置する際には、位相配列のアンテナ素子間の位相測定・調整がアンテナ動作性能を左右するため、QUEST装置にアンテナ設置後に良好な位相配列・指向性を確認できたことは意義深い。これまでに電子バーンシュタイン波電流駆動機構の解明のため、反射計・輻射計計測を進めてきた。定常ST配位維持に向けた電子バーンシュタイン波電流駆動機構の解明には、遮断密度を超える高密度プラズマの生成維持が不可欠である。昨年度、新たに見つかった高密度運転領域に加え、今年度は誘導電場のフィードバック制御で生成維持されたプラズマに電子サイクロトン波を重畳入射し、遮断密度を超える高密度プラズマの加熱・電流駆動実験を行った。有効なモード変換に必要な斜め入射時に、より高い密度のプラズマが生成・維持され、遮断密度を超える高密度プラズマで明確な電流増加を観測した。この際、フィードバック制御されている誘導電場入力は減少しており、有効な電子バーンシュタイン波加熱・電流駆動効果が確認されている。高密度運転領域の実験には、高電力入射が有効であることから、新たな大電力クライストロン管システムの整備を進めている。併せて高密度実験に有効な高周波数加熱・電流駆動システムの整備も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの反射計・輻射計計測準備に加え、定常ST配位維持に向けた電子バーンシュタイン波電流駆動機構の解明に不可欠な遮断密度を超える高密度のプラズマで、有効な加熱・電流駆動効果を確認した。今後の反射計・輻射計計測による電子バーンシュタイン波電流駆動機構の解明が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
高密度プラズマ生成・維持に向けた大電力クライストロン管システム、高周波数加熱・電流駆動システムの整備に伴い、散乱計測に必要なシステム構築が不可能となった。定常ST配位維持に向けた電子バーンシュタイン波電流駆動機構の解明には、遮断密度を超える高密度プラズマの生成維持が不可欠であり、高密度プラズマ生成・維持に向けた加熱・電流駆動システムの整備を進めることとする。
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