2012 Fiscal Year Annual Research Report
固有安全性を有する自己フィードバック型核種閉じ込めセメントバリアの開発
Project/Area Number |
21360460
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新堀 雄一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90180562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐島 陽 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (00400424)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 放射性廃棄物 / 処分システム / 陰イオン性核種 / ヨウ素 / セメント系材料 / カルシウムシリケート水和物 / 収着 / 移行抑制 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,処分場が冠水状態にあることを考慮して、セメント系材料の主成分であるカルシウムシリケート水和物(CSH)を乾燥させることなく利用し、CSHとヨウ化物イオンとの相互作用を液固比20(固相に対する液相の質量比)において検討した。これまではヨウ化物イオンとしてヨウ化カリウムを用いていたが、本年度はこれら相互作用に及ぼすナトリウムイオンの影響を把握するためにヨウ化ナトリウムを用いた。実験条件として、CSHのCa/Siモル比は0.4から1.6の所定値に設定した。また、試料は、CSHを調整時にヨウ化物イオンを投入する共沈試料と、所定期間CSHを養生後にヨウ化物イオンを投入する水和試料を用意した。実験では溶液中のヨウ化物イオン濃度のみならず、Na濃度、Ca濃度、Si濃度も追跡した。なお、実験は,何れの試料もCSHゲル等の固相とヨウ化物イオンとの接触時間を等しく設定し、窒素雰囲気下、室温環境において行った。その結果、ヨウ化物イオンはCSHと相互作用を示し、その作用に及ぼすNa濃度の影響は限定的であることが分かった。加えて、主にラマン分光法を用いてCSHのケイ素四面体の重合度を定量化し、ヨウ素の安定化による各試料の構造変化を比較検討した。 その結果、何れのCa/Si比においてもCSHの構造変化は小さく、共沈試料と水和試料との比較によりCSH層間の水相を通してヨウ素はCSHに安定化されることが明らかになった。また、ヨウ素の収着はCa/Si比に大きく左右されないことから、ケイ素四面体の表面電荷とCaイオンがヨウ化物イオンの収着に寄与することが示唆された。 以上より、CSHを主成分とするセメント系材料(初期のCa/Siモル比1.6程度)は、埋め戻し後の冠水状態においても、少なくともCa/Siモル比0.4までの劣化変質であれば、ヨウ素の移行抑制機能を維持することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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