2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360462
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 学 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40226006)
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Keywords | ヘリウム脆化 / 異種材料界面 / 界面強度 / レーザー衝撃試験 / 付着力 |
Research Abstract |
原子力発電所の高経年化、核燃料の高燃焼度化に伴い核変換により生ずるヘリウムの影響を明らかにすることが原子炉の安全な運用のために求められています。また、より高エネルギーの中性子に曝される高速増殖炉、あるいはより高温度で使用される高温ガス炉、高温かつ高エネルギー中性子に曝される核融合炉では、さらに注意深くヘリウムの粒界脆化への影響を重要な材料因子としてとらえることが必要と考えられます。 本研究は、結晶粒界面強度測定方法としてレーザー衝撃を用いる方法を適用し、ヘリウム粒界脆化の課題解決に新たな知見をもたらそうと試みるものです。具体的には、モデル結晶粒界に作製方法を確立し、ヘリウムイオン照射を用いて結晶粒界へのヘリウム添加を行い、ヘリウム脆化したモデル結晶粒界を作製する方法を明らかにすること、このモデル結晶粒界を用いてレーザー衝撃による方法で界面強度を評価できることを示すこと、ヘリウムの存在状態などをパラメータとしてヘリウム粒界脆化の機構モデルを明らかにすることを目的とします。 本年度は、測定するモデル結晶粒界面の作製とモデル結晶粒界面の強度測定に関して以下の事項を行いました。(1)高温固相拡散接合によるモデル界面の作製。(2)加速器によるヘリウム添加実験が可能な厚さまで研磨可能であることの確認。(3)レーザー衝撃試験法を用いたモデル試料の界面強度測定。(4)作製したモデル試料を用いた測定条件での適切な応力負荷条件の決定。 これらの事項の実施により、モデル試料としてチタン、ニッケル、銅の組み合わせによる固相拡散接合界面やバナジウム合金とイットリア界面の衝撃強度測定を行い、接合層の研磨による膜厚調整やレーザー出力条件制御による測定条件あるいは応力負荷条件の選択方法についての知見が得られました。次年度以降の実験計画に有益な情報を得ました。
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Research Products
(4 results)