2011 Fiscal Year Annual Research Report
イオン照射その場観察法による鉄及び鉄基合金中の可動欠陥クラスタの特性解明
Project/Area Number |
21360463
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 弘亨 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (40343925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 岳夫 東京大学, 工学系研究科, 助教 (30272529)
関村 直人 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10183055)
佐藤 裕樹 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20211948)
金 思雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50566479)
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Keywords | 原子力材料・核燃料 / イオン照射 / その場電子顕微鏡観察 / 分子動力学計算 |
Research Abstract |
本研究では、当該グループの加速器結合型電子顕微鏡技術や分子動力学計算の経験を踏まえ、原子炉の主要な材料であり、構造材料としてより重要性の高い鉄について、イオン照射下における可動欠陥クラスタのその場観察実験と理論的確認を行う。そしてこの欠陥クラスタについて詳細に調査し、基礎的特性を明確にする。具体的には、以下の項目について研究を行う。 (1)組成を制御した高純度試料の作製法の確立 (2)加速器結合型電子顕微鏡法による可動欠陥クラスタの直接観察 (3)分子動力学的評価 今年度は特に項目3について検討を進めた。鉄単結晶に対して分子動力学計算を行い、原子はじき出ししきいエネルギーの異方性を計算し、そして空間的に平均化することによって平均はじき出ししきいエネルギーを得た。またはじき出ししきいエネルギーよりも大きなエネルギーで損傷関数がゼロとなり、さらに大きなエネルギーで新たなはじき出ししきいエネルギーが見られるという、マルチプルスレッショルドを見出し、これについて詳細評価と原因に関する考察を進めた。そしてはじき出し一次過程における複数の置換連鎖衝突の形成とその一部が元に戻る(回復する)過程のタイミング(位相)が揃うときに点欠陥の回復が生じること、そして有限温度における原子配置の乱雑さによってこの効果が減ずること、同様の効果はFeだけでなくZrでも観察されることを見出した。
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Research Products
(5 results)