2011 Fiscal Year Annual Research Report
原子力利用ガバナンスの確立に向けた社会技術に関する研究
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21360464
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 浩 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30376503)
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Keywords | 原子力利用 / ガバナンス / 合意形成プロセス / 知的インフラ |
Research Abstract |
現在の原子力規制は合理性・実効性を欠き、信頼醸成を阻害する原子力システムをもたらしている。そこで、原子力規制に関する適切なガバナンスを実現するための俯瞰的研究を行う必要がある。たとえば、地方分権の潮流の中で、原子力施設の運転再開や原子力関連施設の新規立地等の様々な場面において、地域における合意形成の重要性が高まっている。合意形成に資するような制度の設計やコミュニケーションのあり方という要素だけではなく、全体的な合意形成プロセスのあり方を再検討していく必要がある。このような現状認識の下で、原子力を有効に利用していく際に必要とされるガバナンス(本研究ではこれを原子力利用ガバナンスと呼ぶ)を確立するために、民間規格や安全協定等も含めた社会技術に関する研究を行うことが重要である。 このような流れの中、本研究では、特に、原子力安全協定、高レベル放射性廃棄物の処分、マスメディアとの関係に関する問題を取り上げた。原子力安全協定については、既に立地されている場合の地域の合意形成プロセスの例として、発電所をより社会合理的に利用するための制度とはどうあるべきなのか、国と自治体はどのように権利と責任を取り合うべきなのかを検討した。また、高レベル放射性廃棄物処分については、新規立地の場合の合意形成プロセスとして取り上げ、特に情報の提供段階について検討を行った。マスメディアとの関係は、原子力業界とマスメディア間の関係性を明らかにし、原子力利用ガバナンスを考える上でどのような情報インフラが必要となるのかを検討した。 さらには2011年3月11日の東日本大震災後には、原子力を取り巻く社会的状況が大きく変わったが、本研究においては、原子力利用ガバナンスを考える上で重要な要素となる、災害対応を追加的に取り上げた。東海村の事例を取り上げ、実際に行われた防災対応について改善提案をした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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