2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21370003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷村 禎一 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20142010)
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Keywords | ショウジョウバエ / 睡眠 / アデノシン受容体 / 行動解析 / サーカディアンリズム |
Research Abstract |
近年の研究により、ショウジョウバエにおいても、ホ乳類で見られる睡眠と同様な休止状態があることがわかってきた。したがって、種々の遺伝学的な手法が利用できるショウジョウバエは、睡眠の分子・神経機構を解明するための実験モデルとなりうる。当研究室で開発した赤外線ビデオカメラシステムを用いて、明暗あるいは全暗下でのショウジョウバエの行動軌跡のパターンの数的解析から睡眠行動を定量的に評価した。種々のサーカディアンリズムの突然変異体の行動を解析したところ、サーカディアンリズムの振動が停止していると考えられる状態において、短い周期の活動リズムを検出できることが今回わかった。野生型のハエにおいても、全明の条件下で、同様なリズムが観察された。そこで、このウルトラディアンリズムの解析を行い睡眠との関連を研究することとした。種々の時計突然変異体において調べたところ、pdf(pigment dispersing factor)の突然変異体が顕著なウルトラディアンリズムを示すことがわかった。温度によってウルトラディアンリズムの周期が変化するかどうかを調べたところ、温度依存的な現象であることがわかった。さらに、野生型のハエにおいて全明、全暗の条件下でもウルトラディアンリズムが現れることがわかったことから、ウルトラディアンリズムはショウジョウバエにおいて恒常的に存在するリズムであることがわかった。アデノシン受容体の解析は最終年度に行うこととした。
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