2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21370004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
村上 浩士 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (80262020)
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Keywords | 遣伝子 / ゲノム |
Research Abstract |
分裂酵母において第一減数分裂の制御に転写因子であるMei4は中心的な役割を果たしている。しかし、この制御は長い間未解明であった。申請者は、第一減数分裂の進行には、Cdk1の15番目のチロシン残基のリン酸化制御が主要な制御機構であり、Mei4がCdk1の活性化因子であるcdc25遺伝子の発現を活性化することが必須であることを明らかにし、さらにwee1遺伝子もMei4の第一減数分裂の進行に必要なターゲットであることを解明した。 また、減数分裂での細胞周期制御で重要な問題の一つはDNA複製と遺伝子組み換え開始のための二重鎖切断がどのように制御されているかほとんど未解明なことである。申請者は減数分裂のDNA合成と二重鎖切断の両方に必要な因子として、リボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を同定した。しかし、RNRを阻害した状態でも、DNA複製チェックポイントタンパク質であるRad3やCds1が機能を失うと、二重鎖切断がかなりの頻度で起こることが明らかになった。また、この時の二重鎖切断は正常な場合と同じ位置に生じ、組み換え開始に必要な因子を必要とした。すなわち、RNRが阻害され、DNA複製が阻害されると、チェックポイント因子が活性化し、二重鎖切断の開始を抑制するという新しいチェックポイント経路が減数分裂に存在することが明らかになった。さらに、この経路を分子レベルで解明するため、Cds1と物理的に結合する因子のスクリーニングの準備中である。また、Cds1の基質の候補となるタンパク質が実際にリン酸化されるか解析中である。
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