2011 Fiscal Year Annual Research Report
グッピーの色覚多型の維持機構の解明:雄体色と雌選好性多型と関連づけて
Project/Area Number |
21370007
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90204734)
|
Keywords | 多型維持 / 性選択 / グッピー / 自然選択 / オプシン遺伝子 |
Research Abstract |
22年度において、TrinidadとTobagoの野外13集団においては、LWS遺伝子の4遺伝子座、SWS1,RH1遺伝子座、比較参照遺伝子として、核DNAの8領域の配列を決定した。これらの配列データを用いて、Tajima's Dを計算した。さらに、参照配列を元に、コアレッセントシミュレーションを行い、計算されたTajima's Dが参照配列に比べて、有意に正あるいは負に偏っているかを調べた。さらに、シミュレーション手法を改良し、自然選択の検出をより信頼のできる方法に変更した。自然選択によってDivergent Selectionが働いている可能性が確実になった。 さらに、LWS-1,2,3の配列の異なる個体を用いて、その発現量と光感受性、雌の雄のオレンジ色に対する選好性を調べた。ある特定の遺伝子型では、LWS-2がほとんど発現していないことがわかった。これは、LWS-2の上流にある制御部位の変異であると考えられた。また、LWS-2の発現しない個体は、光感受性が高く、これは他のLWSの発現量との関係であると推測された。また、LWS-2の発現量の多い個体は、オレンジ雄をより選好する傾向にあり、LWS1の発現量が高い個体は、オレンジのスポットの小さい雄をより選好する傾向にあった。これらの結果から、530-570nmの光感受性およびオレンジスポットの大きい雄の選好性には、LWS1,2,3の発現量の違いが影響することが明らかになった。
|
-
-
-
[Presentation] The effect of LWS opsin genotypes on color sensitivity and female preference2012
Author(s)
Sakai, Y., Kaizu, T., Ohtsuki, H., Tezuka, A., Kawamura, S. and Kawata, M.
Organizer
EAFES5
Place of Presentation
龍谷大学
Year and Date
2012-03-19