2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規同位体計測手法による沿岸海洋生態系における窒素負荷伝播と生態遷移過程の解明
Project/Area Number |
21370008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮島 利宏 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20311631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 俊 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (40183892)
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Keywords | 海洋生態 / 環境 / 窒素負荷 / アミノ酸 / 安定同位体比 / 大気降下物 |
Research Abstract |
1.23年度は前年度に引き続いて亜熱帯浅海域生態系(石垣島・石西礁湖)における造礁サンゴを中心とした主要一次生産者の分子種別アミノ酸窒素同位体比分析を進める予定であったが、23年3月11日の東日本大震災により分析装置が被災し、作業を中断せざるを得なくなった。代替の分析装置を業者から借り受けて分析を進めようとしたものの、装置の状態がもともと悪かったため、精度の高い分析結果が得ることができず、装置の調整作業のために多くの時日を消費する結果になった。このためやむを得ず予算の一部を次年度に繰り越し、24年度に納品された新しい分析装置を使用して実施することとした。ただしこの新しい装置についても、納入業者側の不手際により運用開始が24年11月までずれ込んだため、24年度に予定していた分析作業のうちの必要最小限の部分を実施するにとどめざるを得なかった。 2.22年度までの調査研究活動により、①デトリタス連鎖系の出発点に当たるバクテリアによる分解・二次生産のプロセスにおけるアミノ酸化合物別窒素同位体比の決定機構を明らかにするとともに、②サンゴとその共生藻(褐虫藻)の間の窒素資源共有機構についてアミノ酸の窒素同位体比から新しい知見を得ることができた。これらの成果を学会等で発表するとともに、国際誌に投稿する論文の作成を行った(現在投稿中または投稿準備中)。 3.サンゴ礁生態系におけるこれまで見落とされてきた窒素負荷プロセスとして、大気降下物(湿性沈着)由来の窒素負荷の寄与を評価するための観測を継続して行った。特に窒素の降下量とその時空間変動を規定している気象学的要因について明らかにした。この成果についてもすでに学会で概要を発表し、投稿論文の初稿を脱稿した段階である。 4.サンゴ礁の一次生産・石灰化に基づく健全性評価のために溶存無機炭素の安定同位体比のモニタリングを適用する手法を試験的に試みた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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