2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21370015
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 寛 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 教授 (60222113)
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Keywords | Cyanidioschyzon / organelle / DNA replication / transcription / light / Cell cycle / proteasome / tetrapyrrole |
Research Abstract |
(1)シゾン細胞周期においては、光照射後にまずオルガネラDNA合成(ODR)が起こり、その後に核DNA合成(NDR)が開始する。平成21年度では各CDK、サイクリンに対する特異的抗体を用い、光同調系におけるODR開始期の各タンパク質蓄積量を検討した。その結果、各CDKの量は一定である一方、サイクリン1および4がODRに対応して増加することを明らかにした。これまでの解析で、CDKA-サイクリン1複合体がODR開始に関与しないことが明らがになっている為、CDKB-サイクリン4がODRを誘導することが強く示唆された。現在、CDKBのプルダウン系による活性測定系が確立しつつあり、これによる実証実験を継続中である。 (2)ODRが起こると細胞内にMg-ProtoIXが蓄積し、これによりCDKA-サイクリン1複合体が活性化されてNDR誘導が起こる。暗所でG1アレストした細胞にMg-ProtoIXを与えるとNDRが誘導されるが、この効果がプロテアソーム阻害剤であるエポキソマイシンによっても誘導されることを見いだした。従ってMg-ProtoIXは、暗所では迅速に分解される何らかのタンパク質安定化を介してCDKAを活性化すると考えられる。更なる検討の結果、CDKAの活性化因子であるサイクリン1がFbx3タンパク質によりユビキチン化され、プロテアソームにより分解されている。Mg-ProtoIXはFbx3と結合することで構造変化を引き起こし、サイクリン1が安定化してCDKAと結合、NDRを誘導しているとのモデルの提唱に至った(投稿中)。 (3)確立したシゾン核遺伝子の破壊系を用い、窒素欠乏により誘導される亜硫酸還元酵素様遺伝子(CmNiR)の破壊株を取得した。この株が硝酸培養において増殖遅延を示したことから、CmNiRが細胞内で亜硝酸還元酵素として機能していることが遺伝的に示された(今村ら2010)。
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Research Products
(22 results)