2009 Fiscal Year Annual Research Report
フィトクロムAによる超高感度光応答の分子機構の解明
Project/Area Number |
21370020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷 あきら 京都大学, 理学研究科, 教授 (40183082)
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Keywords | フィトクロム / 光応答 / シグナル伝達 / 環境応答 / 蛋白構造 |
Research Abstract |
被子植物のフィトクロム遺伝子ファミリーは、PHYA型とPHYB型の2グループに大別される。なかでも、PHYA型の代表格であるフィトクロムA(phyA)には機能上の顕著な特殊化がみられる。本研究は、phyAによる超高感度光応答の分子機構を解明し、植物における光応答、ひいては植物のシグナル伝達機構全般への理解を深めることを目的とする。本年度においては、phyAとphyBの間の様々なキメラ分子をシロイヌナズナのphyAphyB二重欠損変異体で発現させ、phyAに特徴的な機能がphyA分子のどのような部分構造によってもたらされるのか、解析を進めた。具体的には、フィトクロムを大きくN一末端側とC-末端側に分け、シグナル伝達に関わるN-末端側については、さらにN-PAS、GAF、PHYの3つの領域に分ける。これら合計4つの領域についてphyAまたはphyBの配列を組み合わせて、全長キメラ・フィトクロム遺伝子を構築し(合計16種類)、蛍光タグであるGFPを融合させた形でシロイヌナズナのphyAphyB二重欠損変異株に導入し、得られた植物の生理学的性質を詳しく調べた。その結果、遠赤色光による核移行についてはN-PAS領域の構造が重要であることが分かった。さらに、赤色光下での分解にはN-PASに加えてGAF領域が、核移行した後のシグナル伝達にはPHY領域が重要なことが示唆された。従って、phyAの特殊機能毎にその構造的基盤が異なることが明らかとなった。
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Research Products
(29 results)