2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21370022
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陽介 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183855)
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Keywords | ジベレリン / 信号伝達 / 転写調節因子 / キナーゼ / フィードバック |
Research Abstract |
ジベレリン(GA)は植物の伸長成長に顕著な促進作用を示す植物ホルモンである。生理学的実験からはGA信号伝達にはCa^<2+>の関与が示唆されたが、その実体は不明であった。我々はGA生合成酵素遺伝子の転写因子RSGの機能を制御するキナーゼとしてCa^<2+>依存性タンパク質リン酸化酵素NtCDPK1を同定した。NtCDPK1はRSGをリン酸化しRSGと14-3-3の結合を促進する。前年度までの研究でNtCDPK1はRSGだけでなく14-3-3とも結合することを見出した。本年度はNtCDPK1と14-3-3の植物細胞における結合とその生理的意義を明らかにすることを目的とした。Bimolecular fluorescence complementation(BiFC)法によりNtCDPK1と14-3-3が生細胞内で相互作用することを明らかにした。プルダウン法による解析から14-3-3とNtCDPK1の結合は直接でありCa^<2+>と自己リン酸化が必要であることが明らかになった。14-3-3とRSGの結合は14-3-3とNtCDPK1の結合よりも強いことから、NtCDPK1はRSGをリン酸化すると、自身に結合していた14-3-3をRSGに受け渡すことで14-3-3とRSGの結合を促進するのではないかと考えられた。実際に14-3-3とNtCDPK1の複合体上でRSGをリン酸化すると14-3-3はRSGと結合しNtCDPK1から解離することが示された。この結果はNtCDPK1がキナーゼの活性に加えてシャペロン様の機能を有していることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NtCDPK1の成果に加えDELLAと結合する転写因子GAF1の機能解析も進展しており、研究全体としてほぼ順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度にはGAFとDELLAのin vivoにおける結合を免疫沈降法などにより解析する。
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