2009 Fiscal Year Annual Research Report
トランスアミドソームによるGln-tRNA(Gln)合成反応の多分子協調機構
Project/Area Number |
21370041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姚 閔 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40311518)
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Keywords | X線結晶解析 / 多段階反応の協調 / トランスアミドソーム / GatCAB / tRNA / GluRS |
Research Abstract |
本研究はGln-tRNA^<Gln>の間接合成経路の多分子協調機構に注目して研究を進めている.間接合成経路ではND-GluRSにより一旦誤った組み合わせのGlu-tRNA^<Gln>が合成され,次いでこのGlu-tRNA^<Gln>はGatCABの働きによりアミド化され,正常なGln-tRNA^<Gln>に変換される.この反応経路において,一時的ではあるが誤った組み合わせのGlu-tRNA^<Gln>が合成されるため,誤翻訳の危険性がある.現在,この誤翻訳を防ぐために間接合成に関与する3つの因子,tRNA^<Gln>,ND-GluRSおよびGatCABが3者複合体トランスアミドソームを形成すると考えられているが,未だその存在は報告されていない. 今年度本研究では,tRNA^<Gln>,ND-GluRSおよびGatCABからなるトランスアミドソームを同定するために,各因子の調製を行った.ND-GluRSとGatCABに関しては大腸菌発現系を用いて大量調製し,その後クロマトグラフィーにより高純度に精製した.tRNA^<Gln>の調製は一般的に行われるin vitro transcriptionではなく,大腸菌発現系を用いて大量調製した.次に本研究では高純度に精製したtRNA^<Gln>,ND-GluRSおよびGatCABを用いて複合体形成実験を行った.複合体の確認にはゲル濾過分析およびゲルシフトアッセイを用いた.その結果,ND-GluRSとGatCABの2者では複合体を形成しなかったが,さらにtRNA^<Gln>を加えることにより3者複合体の形成が確認された.この結果から,Gln-tRNA^<Gln>の間接合成経路におけるトランスアミドソームの形成を明らかにすることに成功した.
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Research Products
(5 results)