2010 Fiscal Year Annual Research Report
トランスアミドソームによるGln-tRNA(Gln)合成反応の多分子協調機構
Project/Area Number |
21370041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姚 閔 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40311518)
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Keywords | X線結晶解析 / 多段階反応の協調 / トランスアミドソーム / GatCAB / tRNA / GluRS |
Research Abstract |
本研究はGln-tRNA^<Gln>の間接合成経路の多分子協調機構に注目して研究を進めている.間接合成経路ではND-GluRSにより一旦誤った組み合わせのGlu-tRNA^<Gln>が合成され,次いでこのGlu-tRNA^<Gln>はGatCABの働きによりアミド化され,正常なGln-tRNA^<Gln>に変換される.この反応経路において,一時的ではあるが誤った組み合わせのGlu-tRNA^<Gln>が合成されるため,誤翻訳の危険性がある.現在,この誤翻訳を防ぐために間接合成に関与する3つの因子,tRNA^<Gln>,ND-GluRSおよびGatCABが3者複合体トランスアミドソームを形成する 昨年度本研究では,大腸菌発現系を用いてtRNA^<Gln>,ND-GluRSおよびGatCABからなるトランスアミドソームを大量調製し,その後クロマトグラフィーにより高純度に精製した.そして,ゲル濾過分析およびゲルシフトアッセイを用いトランスアミドソームの形成を明らかにすることに成功した.今年度は引き続きトランスアミドソームの結晶化を進めるとともに,古細菌由来トランスアミドソームにも注目して研究を遂行した.その結果,古細菌由来トランスアミドソームの大量調製ができ,初期結晶を得ることができた.また,古細菌由来GatCABの立体構造を明らかにすることにも成功し,真正細菌由来GatCABとの構造比較から,古細菌由来GatCABに特有の反応機構を解明することができた.その結果は第12回日本RNA学会年会および第60回日本結晶学会年会にて発表を行った
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