2010 Fiscal Year Annual Research Report
Ndxファミリー酵素の加水分解反応に共役するプロトン移動のその場観察
Project/Area Number |
21370049
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
神谷 信夫 大阪市立大学, 複合先端研究機構, 教授 (60152865)
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Keywords | プロトン移動 / 中性子回折 / 酵素反応のその場観察 / ADPRase / Ndxファミリー |
Research Abstract |
ADPRaseは,2価金属イオンの存在下,ADPRをAMPとリボース5'リン酸に加水分解する.我々はこれまでの研究から,ADPRaseとADPRの複合体結晶に2価金属イオンをソーキングして反応を開始させ,SPring-8の超高輝度X線を利用して加水分解反応をその場観察することに成功した.その結果ADPRaseでは,その加水分解反応と同期して,プロトンを酵素内部で一方向へ運搬するプロトン移動経路が形成されているとする仮説を提案した.本申請では,プロトンの追跡に適した中性子回折による反応のその場観察を行って,この仮説を実証することを目的とする.本年度は,(1)結晶化法を従来のハンギングドロップ蒸気拡散法からシッティングドロップ法に切り替えることにより,ADPRaseの結晶の大きさ(体積)を従来の20倍,辺の長さで3倍以上とすることに成功したが,目標とする中性子回折実験を行うにはさらに数倍,辺の長さで1.5倍以上とする必要がある.(2)辺の長さで従来の3倍以上に大型化した結晶にADPRとMn(II)イオンをソーキングし結晶構造解析を行ったところ,すでにこの段階でも,ソーキングに要する時間が10倍以上に伸びており,ソーキング時のADPRやMn(II)イオンの濃度を調整する必要があることが判明した.(3)従来の結晶より2倍程度大きい結晶に対してADPRとMn(II)イオンをソーキングし,SPring-8を利用して,1Åを上回る高分解能において時間分割回折強度データを得ることに成功した.構造解析の結果から,反応に重要な役割を果たすアミノ酸のカルボキシル側鎖のプロトン化/脱プロトン化の程度を検討し,ADPRaseの反応過程におけるプロトン移動経路を推定した.
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[Journal Article] Structural and functional studies on Ycf12 (Psb30) and PsbZ deletion mutants from a thermophilic cyanobacterium2010
Author(s)
Takasaka, K., Iwai, M., Umena, Y., Kawakami, K., Ikeuchi, M., Kamiya, N., Shen, J.-R.
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Journal Title
BBA
Volume: 1797
Pages: 278-284
Peer Reviewed
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[Presentation] Time-Resolved Crystal Structure Analysis of Mn(II)Dependent Hydrolysis Reaction of ADP-Ribose Pyrophosphatase from Thermus thermophilus HB82010
Author(s)
Y, Furuike, Y, Akita, Y, Akiyoshi, Y, Amano, I, Miyahara, N, Kamiya
Organizer
ISDSB2010
Place of Presentation
パリ, フランス
Year and Date
20100525-20100528