2011 Fiscal Year Annual Research Report
Ndxファミリー酵素の加水分解反応に共役するプロトン移動のその場観察
Project/Area Number |
21370049
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
神谷 信夫 大阪市立大学, 複合先端研究機構, 教授 (60152865)
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Keywords | プロトン移動 / 中性子回折 / 酵素反応のその場観察 / ADPRase / Ndxファミリー |
Research Abstract |
ADPRaseは,2価金属イオンの存在下,ADPRをAMPとリボース5'リン酸に加水分解する.我々はこれまでの研究から,ADPRaseとADPRの複合体結晶に2価金属イオンをソーキングして反応を開始させ,SPring-8の超高輝度X線を利用して加水分解反応をその場観察することに成功した.その結果ADPRaseでは,その加水分解反応と同期して,プロトンを酵素内部で一方向へ運搬するプロトン移動経路が形成されているとする仮説を提案した.本申請では,プロトンの追跡に適した中性子回折実験による反応のその場観察を行って,この仮説を実証することを目的とした.本年度は,(1)昨年度までに調製したADPRaseの大型結晶(体積で従来の20倍,辺の長さで3倍以上)に対して,ADPRとMn(II)イオンをソーキングする際のpH条件を変更し,従来と同様に1時間程度の時間内に酵素反応を終結させるための実験条件を確定させた.(2)異なる反応時間でクライオトラップした結晶についてSPring-8を利用してX線結晶構造解析を行い,従来の結晶と実験条件で得られたその場観察の結果と本質的に同じ結果が得られることを見いだした.(3)この結晶を用いた中性子回折実験は,昨年3月の東日本大震災により東海村の研究用原子炉(JRR-3)とJPARCがともに被災し,運転が再開されなかったため,今なお実現できていない.(4)従来の結晶より2倍程度大きい結晶に対してADPRとMn(II)イオンをソーキングし,SPring-8を利用して,1Aを上回る高分解能において時間分割回折強度データを得ることに成功した.構造解析の結果から,反応に重要な役割を果たすアミノ酸のカルボキシル側鎖のプロトン化/脱プロトン化の程度を検討し,ADPRaseの反応過程におけるプロトン移動経路を推定した.
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Research Products
(5 results)