2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンの化学修飾を介したヌクレオソーム構造変換反応の解明
Project/Area Number |
21370052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀越 正美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (70242089)
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Keywords | 遺伝子 / 酵素 / 生体分子 / 蛋白質 / 発現制御 |
Research Abstract |
本研究は、ピストンの化学修飾を介してヌクレオソーム構造変換反応が引き起こされるメカニズムを明らかにすることを目的とした。研究代表者が単離しその生化学的機能を明らかにした、進化的に高度に保存されたヒストンシャペロンCIA (CCGI-interacting factor A)が、ヒストン(H3-H4)2四量体に働きかけ、2分子のH3-H4 二量体に分割する活性を有することを機能生物学的、構造生物学的観点から世界に先駆けて示すことに成功した(Nature,2007)。生体シグナルの一つの終着点であるヒストン化学修飾により、ヌクレオソーム構造変換反応が部位特異的にどのように引き起こされるのか、という課題にも迫った。CIAがTFIIDのサブユニットの一つであるCCGI(CellCycleGenel)中のアセチル化ヒストン認識ドメインであるプロモドメイン(以下、CCGIDBD(double bromodomains)と表記)と相互作用することは既に見出しており(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2002)、この相互作用の構造基盤を解析することにより、ヒストンアセチル化とCIAによるヌクレオソーム構造変換反応の連関性を解明することを試みた。その結果、CIA-CCGIDBDの複合体結晶構造解析に成功し、その生化学的、遺伝学的解析を通して、CIAがCCGIDBDを介してアセチル化ヒストンを含むヌクレオソームに特異的にリクルートされ、その後、CIAがヒストンに受け渡されることによりヌクレオソームの破壊が進行するという分子機構モデルを提唱した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2010)。更に、ヒストンのN末テイルへの化学修飾に効果をもたらすC末コア領域をヒストン点変異体ライブラリーを用いて解析を行い、ヌクレオソームコア領域のある領域がヒストンH3/K36のメチル化制御に関与することを示した(投稿中)。以上の構造解析以外にヒストンシャペロンCIAの複製時における機能解析を行い、伸長段階に作用する知見を得た(投稿中)、更にCIA以外のヒストンシャペロンFACTについても機能解析を行い、複製時の伸長過程における反応速度を制御するといった知見を得た(投稿中)。
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Research Products
(9 results)