2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21370057
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
表 弘志 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10273707)
|
Keywords | VGLUT / ケトン体 / 塩素イオン / 制御 |
Research Abstract |
小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)はシナプス小胞にグルタミン酸を輸送するトランスポーターである。小胞内に蓄積されたグルタミン酸は刺激に応じて細胞外へ放出されて、シグナルを伝達する。VGLIUTはグルタミン酸輸送だけでなく、Na+勾配に依存したリン酸輸送活性を持っている。この研究ではVGLUTを含むSLC17型トランスポーターを材料とし、分子内に複数のトランスポーターマシンを持つ多機能性トランスポーターのメカニズムに迫る事を目的としている。 VGLUTの活性が塩素イオンによって制御されている事、塩素イオンはVGLUTの輸送基質でない事が明らかになった。この事は塩素イオンがVGLUTに結合する事で活性化している事を意味している。興味深い事に塩素イオンによる活性化はケト酸により競合的に阻害された。すなわち、塩素イオンの結合部位にケト酸が結合する事が示唆された。ケト酸はVGLUTの機能制御だけでなく、輸送機構解明のツールとなりうる。 SLC17ファミリーの一つであるNPT1(SLC17A1)の大量発現、精製系を構築し、輸送機能を解析した。その結果、NPT1がNa+勾配を駆動力とするリン酸輸送活性と膜電位を駆動力とするリン酸輸送活性を持っている事が明らかになった。NPT1のArg138をAlaに置換したところ、VGLUTの時と同様に活性を失った。また、NPT1もVGLUTと同様に塩素イオンで活性化された。このことから、NPT1もVGLUTと同様なメカニズムで動く多機能性トランスポーターである事が明らかになった。
|
Research Products
(5 results)