2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル対機構がもたらす青色光受容センサータンパク質の動作原理の解明
Project/Area Number |
21370069
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三野 広幸 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (70300902)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 高明 茨城大学, 工学部, 教授 (10175268)
増田 真二 東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 准教授 (30373369)
|
Keywords | BLUF / 磁場効果 / EPR / ESR / フラビン / センサータンパク質 / ラジカル対 / 時間分EPR |
Research Abstract |
本研究は、新規タンパク質青色光センサーBLUFドメインの光反応過程の中でフラビンとチロシンのラジカル対が生成していることをESR(電子スピン共鳴)法により実験的に明らかにした。この結果を受け、本研究ではAdvanced ESR(電子スピン共鳴)法、磁場効果測定法によりフラビン-チロシンラジカル対がタンパク質の構造変化を介してセンサー機能を発動する機構を明らかにすることを目的とする。本研究費により高速アンプ、高速オシロスコープを導入し、測定システムを構築し、時間分解ESR法によりPixDタンパク質中で生成する高速のラジカル対のkineticを捉えられるようになった。これにより4Kから250Kまでの幅広い範囲での高速なESR測定が可能になった。 フラビン-チロシンESR信号をパルスESR法でとらえフラビン-チロシン間の相互作用によって完全な3重項状態S=1をつくることを見出した。更にスピン-格子緩和時間の温度依存性を解析することによりフラビン-チロシン間の分子間相互作用Jを定量的に求めることに成功した。これは分子機構の詳細な解析をする手がかりとなる。この結果は論文として投稿し、受理されている。 また、反応過程でのタンパク質問の会合状態を明らかにするためパルス電子-電子に重共鳴法(PELDOR)を用いて会合状態でのモノマー間の相互作用の測定に成功した。解析の結果モノマー同士の幾何学的配置を得た。これは論文として投稿する予定である。
|
Research Products
(4 results)