2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNA局在と局所的翻訳制御を介した細胞極性の形成と細胞の運命決定機構
Project/Area Number |
21370077
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
入江 賢児 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90232628)
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Keywords | RNA結合タンパク質 / Stress Granule / hnRNP K / mRNA / Staul / 筋分化 |
Research Abstract |
研究1.RNA局在・RNA安定性・局所的翻訳制御の分子機構 出芽酵母の非対称分裂は細胞運命決定因子Ash1をコードするmRNAの局在により決定する。申請者は、これまでにmRNAのin vivoイメージング技術を開発し、輸送中のmRNAの翻訳阻害および局所的な翻訳制御に関与するRNA結合タンパク質Khd1,Mpt5、翻訳制御因子Mkt1/Pbp1複合体を明らかにしている。また、ASH1以外のmRNAの局在とその安定性制御機構を解析している。輸送中のmRNAの翻訳阻害および局所的な翻訳制御、RNAの局所的安定性制御の分子機構を解明する。また、動物細胞においてはKhd1のヒトオルソログhnRNP KによるStress granuleへの局在機構、ストレス時におけるRNAの安定性および翻訳の制御機構を解明する。本年度の研究では、hnRNP Kの相互作用因子RBM42を単離し、hnRNP KとRBM42がストレス時にStress Granuleに局在すること、ストレス条件下でのATPレベルの維持に働くことを明らかにした(Fukuda et al., 2009)。 研究2.RNA結合タンパク質Staulによる筋分化の制御機構とRNA局在制御 哺乳類Staulは、神経細胞において樹状突起へと輸送されるRNA Granuleに含まれ、mRNAの局在化に関与している。神経以外の細胞にもStaulは発現しているが、その機能は不明であった。申請者は、RNA結合タンパク質Staulが筋芽細胞株C2Cl2においても発現し、筋分化に対して抑制的に機能することを明らかにした。筋の分化過程は、Myf5、MRF4、MyoD→Myogeninから構成される転写因子のカスケードにより調節されているが、私共の結果は、筋分化の調節は転写因子のカスケードだけでなく、RNA結合タンパク質Staulを介したRNA局在を含む転写後調節によっても調節されることを示した。StaulがどのようなRNAの局在化、翻訳制御を介した筋分化の制御機構を解明する。また、Staulが線維芽細胞の運動先端に局在するという知見も得ており、RNA局在制御と細胞運動の関連を明らかにする。本年度の研究では、RNA結合タンパク質Staulのターゲット遺伝子の候補を得た。
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Research Products
(4 results)