2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA局在と局所的翻訳制御を介した細胞極性の形成と細胞の運命決定機構
Project/Area Number |
21370077
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
入江 賢児 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90232628)
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Keywords | RNA結合タンパク質 / 出芽酵母 / Khd1 / mRNA / Stau1 / 筋分化 / Db12 |
Research Abstract |
研究1.RNA局在・RNA安定性・局所的翻訳制御の分子機構 申請者は、これまでに出芽酵母のASH1 mRNAのin vivoイメージング技術を開発し、輸送中のmRNAの翻訳阻害および局所的な翻訳制御に関与するRNA結合タンパク質Khd1,Mpt5、翻訳制御因子Mkt1/Pbp1複合体を明らかにしている。また、ASH1以外のmRNAとして膜タンパク質をコードするMTL1 mRNAの局在とその安定性制御機構を解析している。本年度の研究では、Khd1pによるMTL1 mRNA安定性制御に関わるシス領域の限定とMTL1 mRNA安定性制御に関わるトランス因子の同定を行った。その結果、MTL1(532-1032)領域は、khd1変異株においてmRNAを不安定化させるのに必要かつ十分な配列であること、khd1変異株におけるMTL1 mRNAの不安定化には、5'→3'方向のmRNA分解酵素Xm1pとキャップ構造除去酵素コファクターDcp1pが関与することを明らかにした(Mauchi et al.,2010)。 研究2.RNA結合タンパク質Stau1による筋分化の制御機構 哺乳類RNA結合タンパク質Stau1は、神経細胞において樹状突起へと輸送されるRNA Granuleに含まれ、mRNAの局在化に関与している。神経以外の細胞にもStau1は発現しているが、その機能は不明であった。申請者は、Stau1が筋芽細胞株c2c12においても発現し、筋分化に対して抑制的に機能することを明らかにした。筋の分化過程は、MyoD, Myogeninなどの転写因子のカスケードにより調節されているが、私共の結果は、筋分化の調節は転写因子のカスケードだけでなく、RNA結合タンパク質Stau1を介したRNA局在を含む転写後調節によっても調節されることを示した。本年度の研究では、Stau1による筋分化の制御機構として、Stau1のターゲットmRNAとしてDb12 mRNAを同定し、Stau1がDb12 mRNAの制御を介して筋分化を制御することを示した(Yamaguchi et al.,論文投稿準備中)。
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Research Products
(6 results)