2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21370079
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立花 誠 京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (80303915)
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Keywords | ヒストン / エピジェネティクス / メチル化 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
1. ヒストン脱メチル化酵素、Jhdm2a、Jhdm2bダブルノックアウトマウスの解析 ヒストン脱メチル化酵素、Jhdm2aとJhdm2bは同じ酵素活性を持ち、さらに発現プロファイルも類似している。このことから、機能に重複性が見られることが予想された。まずは遺伝学的に機能の重複性を調べる目的で、Jhdm2aとJhdm2bの双方がヘテロ接合型であるマウスを交配させ、メンデルの法則に従って産仔が生れるのかを調べた。その結果、Jhdm2aとJhdm2bの双方がホモ接合型であるマウスは生まれることが出来なかった。さらに胎児の段階での発生を詳細に解析した結果、受精後7日目よりも早く死亡していることが明らかになった。 2. ヒストン脱メチル化酵素、Jhdm2a、Jhdm2bダブルノックアウトES細胞の解析 上記に示したように、Jhdm2aとJhdm2bはマウスの発生に極めて重要な機能を有することが分かった。この点をさらに細胞レベルで追及しようと試みた。胚性幹(ES)細胞で条件的にJhdm2aとJhdm2bの双方を欠損できるES細胞を樹立してその表現型を調べた。その結果、Jhdm2abを欠損させると非常に遠やかに(およそ4日)ES細胞が死滅することが明らかとなった。この細胞を用いて遺伝子発現プロファイルを解析した結果、およそ数100の遺伝子がJhdm2ab欠損によって発現の低下を引き起こすことが明らかとなった。これらの遺伝子の発現変化がお細胞の細胞死を引き起こすと考えている。
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