2010 Fiscal Year Annual Research Report
器官形成におけるNotchシグナルの機能とその分子基盤の統合解析
Project/Area Number |
21370090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 素行 名古屋大学, 理学研究科生命理学専攻, 准教授 (20377906)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / Notch / 脊索 / 神経 |
Research Abstract |
Notchシグナルは進化上保存された細胞間シグナル伝達経路であり、多様な組織の発生に関わっていることが知られている。高等生物でのNotchシグナルの生理機能とその分子機構は、複数リガンド・受容体の存在やそれらの発現場所・時期・活性の複雑な調節機構の存在のため、不明な点が多く残されている。本研究では、Notchリガンド機能に焦点をあて、個体における生理機能を明らかにする。そのため、モデル動物として、脊椎動物であるゼブラフィッシュを用いることで、初期発生での複数のリガンドの機能解析を行った。 1)Mib1-Jagged1-Notchシグナルによる脊索細胞の運命決定と脊索の機能制御 脊索は脊椎動物共通の発生過程で一過性に生じる中軸構造である。本年度は、MibによるJaggedのユビキチン化を通じたJagged-Notchシグナル活性化が、液胞細胞と非液胞細胞の分化を調節し、その調節によって、脊索の周囲に存在する筋組織形成誘導に関与する事を解明した。 2)Deltaによるfilopodia誘導機構とその生理機能の解明 本年度は、Delta1の強制発現が、filopodiaの形成を促すメカニズム解析を行った。その結果、a)Delta1によるfilopodia形成誘導に、Notchシグナル活性化は関与しない事、b)Delta1の細胞膜直下のアミノ酸領域が重要である事、c)Deltaがゼブラフィッシュ神経細胞の移動に関与する事、などを明らかにした。 3)Mibによるリガンドの活性化機構解析 Mib1によるDelta1のユビキチン化修飾はNotchとの結合やバルクのDeltaのエンドサイトーシスのステップに関与せず、トランスエンドサイトーシスによって引き続き起こるNotch細胞外ドメインと結合したDelta1の細胞内輸送を制御していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Mib-Jag1-Notch signalling regulates patterning and structural roles of the notochord by controlling cell-fate decisions2010
Author(s)
Yamamoto M, Morita R, Mizoguchi T, Matsuo H, Isoda M, Ishitani T, Chitnis AB, Matsumoto K, Crump JG, Hozumi K, Yonemura S, Kawakami K, Itoh M.
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Journal Title
Development
Volume: 137
Pages: 2527-37
DOI
Peer Reviewed
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