2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小器官ゴルジ体・小胞体の各々におけるp97ATPase膜融合機構の解明
Project/Area Number |
21370091
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 久雄 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (20205561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十津川 剛 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (90399684)
時田 公美 九州大学, 大学院・医学研究院, 学術研究員 (50415296)
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Keywords | ゴルジ体 / 小胞体 / 融合帯 / p97ATPase |
Research Abstract |
小胞体とゴルジ体は、それぞれ網状構造と扁平膜積層構造という全く異なる形態を示し、かつ細胞分裂期での挙動も異なる。従って、小胞体・ゴルジ体の形成に共通して必須であるp97ATPaseによる膜融合が、各々の細胞内小器官形成のため特化して機能していることが強く示唆される。本研究では、小胞体とゴルジ体の各々の形成に特異的に必要なp97膜融合の新規因子を同定し、それぞれの細胞内小器官の形成におけるp97膜融合の分子機序の差異を明らかにすることを目的として研究を行った。 本年度は、新規VCIP135結合蛋白質であるp87の同定に成功した。p87は、VCIP135単独にも結合するが、VCIP135/p97複合体により強く結合する。p87はまたVCIP135の脱ユビキチン化活性を促進した。間接蛍光抗体法からp87はゴルジ体に局在しており、さらにsiRNAによるp87発現の抑制はゴルジ体の小胞化をもたらしたものの、小胞体の網状構造には何ら変化が見られなかった。さらに興味深いことに、試験管内再構成系の結果から、このp87はp97/p47経路によるゴルジ体膜の膜融合に特異的に必要とされる因子であることが分かった。
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