2010 Fiscal Year Annual Research Report
ライブクレムを基盤とする分子特異的ナノイメージング法の開発
Project/Area Number |
21370094
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
原口 徳子 独立行政法人情報通信研究機構, 上席研究員 (20359079)
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Keywords | 細胞・組織 / 遺伝子 / 蛋白質 / 生体分子 / バイオイメージング |
Research Abstract |
ライブクレム(Live CLEM)とは、蛍光顕微鏡を用いて特定分子を観察した後に、同じサンプルを電子顕微鏡で観察する方法であり、生きた細胞の蛍光観察から得られた分子ダイナミクスと、電子顕微鏡観察から得られたナノメートルオーダーの超構造解析を同一試料で比較することにより分子特異的なナノイメージングが達成できる。本研究課題は、これまで独自に開発してきたライブクレム法をさらに発展させ、より汎用性が高く・空間精度の高いナノイメージング法を開発することを目的とする。具体的な目標としては、1)これまで接着細胞に限定されていた適応範囲をより広い生物試料に広げることと、2)蛍光像と電顕像の位置合わせの精度を向上させることである。本年度は、項目1)として、浮遊性の細胞だけでなく、水中で動き回るテトラヒメナ細胞を用いて、自発的に動き回る細胞にも適応できるライブクレム法の開発を試みた。特殊なアガロースで細胞を固定することによって、ライブクレム法の観察条件を確立した。また、昨年度開発した、分裂酵母(Asakawa et al,2010)や出芽酵母(Kawai-Noma et al,2010)に適応できる方法については論文発表を行い公開した。項目2)では、位置合わせの指標として細胞内に導入した人工的なプラスティックビーズ(直径1マイクロメートル程度)を用いて、蛍光顕微鏡像と電子顕微鏡像の位置合わせの精度を向上させる方法を検討した。この結果、入れたビーズによって、位置合わせの精度は向上したが、細胞機能が変化するという問題点が明らかになった。この問題を回避するために、蛍光顕微鏡と電子顕微鏡の両用プローブを使って位置合わせをする方法を検討した。プローブとして、目的分子を特異的に認識する抗体を使って、最適な観察結果が得られる条件の検討を行った。
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