2011 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ中枢神経系形成を制御するシグナルネットワーク
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21370096
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多羽田 哲也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10183865)
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Keywords | ショウジョウバエ / キノコ体 / 軸索投射 / 軸索伸長 / アクチン / マイクロアレイ / 視覚系神経 / 発生分化 |
Research Abstract |
(1)MB形成に機能する遺伝子の網羅的なスクリーニング ショウジョウバエの匂い記憶学習のセンターであるMushroom Body(MB)は、γ、α'/β'、α/βの3機能ドメインから成り立っており、この順序で分化が進み、それぞれ記憶の獲得、固定、読み出しに働くと考えられている。この機能ドメインが順に発生する過程にはChinmoと呼ばれる転写因子が機能することが知られているが、夫々が特有の形態を持つ神経細胞群に分化する具体的なメカニズムは不明である。この機構を包括的に明らかにするために、MBに特異的にshRNAを発現させ、発生が以上になるものをスクリーニングする。現在までに1200以上の遺伝子のスクリーニングを行い,いくつかの候補を得た。その中で、α/βの軸索投射に異常が見られる転写因子DIP2に注目した。マイクロアレイ法によりDIP2変異により発現が変動するさまざまな下流遺伝子群を同定した。これらの遺伝子群の変異を解析することで、軸索投射メカニズムを明らかにしたい。 (2)アクチン骨格リモデリング因子の解析 発現解析を通して、MBのアクソン投射に必須の遺伝子を同定し、その機能がアクチン骨格のリモデリングにあると思われる遺伝子sickieを単離した。sickie変異では軸索の伸長、分岐に異常が観察される。アクチンリモデリングに機能するAbelsonキナーゼとの遺伝学的相互作用が観察された。またアクチンの解離を制御しているCoffilinやCoffilinの活性化因子の変異によってsickie変異が部分的に抑圧されること、また、Coffilinの不活性化因子の変異によってsickie変異が増強されることからもsickieはアクチンリモデリングに機能することが示唆された。そこで、さまざまな遺伝子の多重変異体を作成して,その表現型の解析を行うことによってこのことを確認した。 (3)視覚系神経細胞の分化制御機構に働く遺伝子の機能解析を行った。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Concentric zones, cell migration and neuronal circuits in the Drosophila visual center2011
Author(s)
Hasegawa*, E., Kitada*, Y., Kaido, M., Takayama, R., Awasaki, T., Tabata, T. and Sate, M.
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Journal Title
Development
Volume: 138
Pages: 983-993
Peer Reviewed