2009 Fiscal Year Annual Research Report
琉球諸島ヒト集団の網羅的ゲノム多様性解析～系統・形態・環境適応の解明に向けて～
| Project/Area Number |
21370108
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
太田 博樹 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (40401228)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 亮介 琉球大学, 亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構, 特命准教授 (00453712)
|
|---|
| Keywords | 琉球諸島 / 先島諸島 / 日本人の起源 / 炎症性腸疾患 / アルコール代謝 / シャベル型切歯 / 北部九州 / 本州日本 |
|---|
| Research Abstract |
【背景】石田肇(連携研究者)らの琉球諸島における歯冠形質にもとづく系統解析は、沖縄本島および本州日本が比較的短い枝でクラスターするのに対し、先島諸島(宮古島と石垣島)はやや長い枝で台湾原住民を介して沖縄本島と結合し、アイヌにより近縁であることを示した。
【目的】琉球諸島と本州日本(特に北部九州)のヒトの系統関係と形態的・生理的環境適応を明らかにする。
【平成21年度の成果】
(1)中立ゲノム領域解析による系統解析:松草博隆(協力者)が宮古島、石垣島、沖縄本島についてmtDNA、Y染色体STR多型、常染色体STR多型を分析した結果、琉球諸島は台湾原住民との近縁性を示すことなく、アイヌとの関連を示した(Matsukusa et al.2010)
(2)歯冠形質決定候補遺伝子のSNP解析:木村亮介(研究分担)が宮古島と石垣島について歯冠形質データとEDAR遺伝子多型の相関を解析した結果、この遺伝子がシャベル型切歯の多様性と深く関係していることが明らかとなった(Kimura et al.2009)。
(3)北部九州ヒト試料の収集:埴原恒彦(連携研究者)が渡来系弥生人の拡散の中心地であったと考えられる北部九州住民の唾液試料収集を行なった。
(4)炎症性腸疾患原因候補遺伝子のSNP解析:中込滋樹(協力者)は北部九州のクローン病および潰瘍性大腸炎の患者と健常者について8遺伝子座のSNP頻度を比較し、関東地方とは北部九州の患者が異なる遺伝様式を示すことを明らかにした(Nakagome et al.2010)。これを受け琉球諸島での患者試料の収集を開始した。
(5)アルコール代謝酵素遺伝子のSNP解析:小金渕佳江(協力者)が、琉球諸島および北部九州のヒト試料についてクラスIADHおよびALDH2の分析を行った。その結果、酒に弱いアレルについて日本列島の北から南にかけてU字勾配が示された。
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
[Journal Article] A common variation in EDAR is a genetic determinant of shovel-shaped incisors2009
Author(s)
R.Kimura*, T.Yamaguchi, M.Takeda, O.Kondo, T.Toma, K.Haneji, T.Hanihara, H.Matsukusa, S.Kawamura, K.Maki, M.Osawa, H.Ishida, H.Oota(*責任著者)
-
Journal Title
American Journal of Human Genetics 85
Pages: 528-535
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
