2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三上 哲夫 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50133715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 康之 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (80374619)
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Keywords | テンサイ / ホウレンソウ / 細胞質雄性不稔性 / 雌雄性 / 生殖機構 / 稔性回復核遺伝子 |
Research Abstract |
今年度得られた主な研究成果は次の通りである。 1.テンサイにおける細胞質雄性不稔性(CMS)成立のメカニズム解析 これまでのBeta属ミトコンドリアゲノム情報に基づき、共通に保持されている非コード域700bpを選び出した。テンサイBeta vulgarisの様々な栽培型や野生種を含む50アクセッションについて、その領域の塩基配列を決定し、比較解析を行った。その結果、Owen型CMSを保持するアクセッションが、他とは塩基配列の異なる隔離された一つのグループを形成するのに対し、I-12CMS(3)型CMSは正常系統と同一ではないが、非常によく似た塩基配列を保持していた。また、I-12CMS(3)の原因遺伝子であるorf129を保持するアクセッションについて、700bp配列が少しずつ異なるバリアントが見つかった。これより、Owen型CMSとI-12CMS(3)型CMSの起源や進化過程が異なることが明らかになった。 2.ホウレンソウにおける雌雄性成立のメカニズム解析 (1)ホウレンソウ近縁野生種S.tetrandraおよびS.turkestanicaについて性発現の調査を行った結果,いずれもホウレンソウと同様に雌雄異株であることが判明した.さらに,どちらの野生種も花器形態に関して,ホウレンソウと顕著な差異は見出されなかった。 (2)ホウレンソウ性決定遺伝子のマッピング解析を通じて,これまでに雄性(もしくは,雄性決定遺伝子)と共分離するDNA断片を同定した.本年度は,このDNA断片の有無と性発現に関して,西南アジア,東アジアおよびヨーロッパの各地から収集されたホウレンソウ在来品種を調査した.その結果,供試したホウレンソウ在来品種においても,当該DNA断片と雄性(もしくは,雄性決定遺伝子)との間に強固な連関性(アソシエーション)を見出すことができた。
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Research Products
(8 results)