2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三上 哲夫 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50133715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 康之 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (80374619)
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Keywords | テンサイ / ホウレンソウ / 細胞質雄性不稔性 / 雌雄性 / 生殖機構 / 稔性回復核遺伝子 |
Research Abstract |
1.テンサイにおける細胞質雄性不稔性(CMS)成立のメカニズム解析 (1)Owen CMSの原因ミトコンドリアタンパク質preSATP6と稔性回復核遺伝子の翻訳産物RF1との相互作用を調べた。その結果、preSATP6に結合するタンパク質はRF1のみであり、ミトコンドリア内膜でRF1-preSATP6複合体が形成されることにより、preSATP6ホモ多量体の総量が減り、花粉稔性回復がもたらされる可能性が示された。 (2)Owen CMSに働くRf1の遺伝子型判別マーカーを開発し、これを用いてRf1座に少なくとも16種のアレルが分化していることを明らかにした。家畜ビートやフダンソウの在来品種には多様なアレルが含まれているようである。 2.ホウレンソウにおける雌雄性成立のメカニズム解析 (1)ホウレンソウ(S.oleracea)の近縁野生種S.tetrandra(3アクセション)およびS.turkestanica(4アクセション)の雄株および雌株を用いて,ホウレンソウの雄特異的DNA配列の有無を調査した.その結果,S.turkestanicaの全アクセションおよびS.tetrandraの1アクセションについては、当該DNA配列と雄性との間に強固な連関性を見出すことができた.しかしながら,S.tetrandraの2アクセションの雄株および雌株のいずれも,ホウレンソウ雄特異的DNA配列を持っていないことが判明した. (2)葉緑体配列(trnL-rpl32領域)を解析した。その結果,ホウレンソウの雄特異的DNA配列が雄株から見出されたアクセションはいずれもS.oleraceaとは区別されなかった.一方,当該配列が雌・雄いずれからも検出されないS.tetrandraの2アクセションはS.oleraceaとは独立のグループを形成した.
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Research Products
(11 results)