2010 Fiscal Year Annual Research Report
高度環境ストレス耐性育種のための極限環境植物の遺伝子資源利用に関する研究
Project/Area Number |
21380002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 哲夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (30183057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 雄一 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (80409789)
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Keywords | 環境ストレス耐性 / 野生植物 / 耐塩性 / 極限環境植物 / オヒルギ / Puccinellia / ソナレシバ / ヤトロファ |
Research Abstract |
・電位非依存型のK^+チャンネルをコードする遺伝子(PutAKT1)をP.tenuifloraから単離し、解析した。PutAKT1はShaker K^+チャンネルファミリーのAKT-1サブファミリーに属すことがわかった。またPutAKT1は細胞膜に局在し、遺伝子発現は根で強く観察された。その遺伝子発現はK^+飢餓で誘導されるとともに、他の植物で見られるような高濃度Na^+による発現抑制を受けなかった。PutAKT1を高い発現する形質転換シロイヌナズナはより強い耐塩性を持つ事がわかった。 ・AKT1タンパク質(K^+チャンネルのα-サブユニット)と相互作用し、K^+チャンネルの安定性等に関与する事が知られているβ-サブユニットをコードする遺伝子をP.tenuifloraおよびイネから単離し(KPutB1およびKOB1)、比較機能解析を行った。 ・オヒルギ遺伝子を導入した組換え体について、DREB1Aなどの11種のストレス関連遺伝子の発現をRT-PCR法で定量したが、野生型と比較して際立った違いは認められなかった。そのため、マイクロアレイによる解析は行なわなかった。 ・ソナレシバcDNA発現ライブラリーをシロイヌナズナに導入して、約1000個体の組換え体を得た。そのうち、約550個体の次世代を150mM NaClでスクリーニングして、約110個体の生育の良い個体を選抜した。さらに、2次スクリーニングを実施中である。これらの中には、オヒルギのcDNAを導入した耐塩性系統よりも生育の良好な系統が含まれている。 ・耐乾燥性の強いヤトロファから乾燥条件で発現誘導される遺伝子を9種得た。
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