2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を利用した高バイオマスイネ作出に関する遺伝育種学的研究
Project/Area Number |
21380003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北野 英己 Nagoya University, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (50144184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 一行 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (80315134)
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Keywords | バイオマスイネ / QTL解析 / エネルギー作物 / 多収性 / 遺伝子単離 / 突然変異 |
Research Abstract |
最近バイオエタノールを始めとする環境重視型の新エネルギーの開発研究が注目されている。食用作物を対象にエネルギー作物としての利用を可能とし,食糧との競合を回避するためには,対象作物の栽培技術体系を大きく変えることなく且つエネルギー作物としての能力を十分に備え,エネルギー生産に特化した専用品種の開発が必要となる.本研究では,イネを材料に高度に集積しつつあるゲノム情報を利用し高バイオマスイネの作出の可能性を探るとともに,エネルギー作物として付与されるべき遺伝形質の同定とそれらを育種へ応用するための知見を得ることを目的に研究を展開する. 初年度は,高バイオマス系統と正常品種を用いて圃場栽培し,地上部の乾物生産量に見られる変異を調査するとともに,一部の有望系統を用いた雑種集団を用いてQTL解析を実施した.さらに高バイオマス生産に寄与することが期待される遺伝子変異を集積するための選抜作業を進めた.具体的には,研究室で保有するインド型,熱帯ジャポニカ型の在来品種の中から最も乾物生産性の高いと思われる系統を選抜し,高バイオマス生産に関わると思われる遺伝子変異を含む日本型の突然変異系統との雑種集団を育成し,分離系統の選抜を行った.また,高バイオマス品種を片親とするF_2集団を対象にQTL解析を行い,稈径や乾物生産など高バイオマスに関わると思われるQTL領域を同定した.さらに,多数の高バイオマス雑種系統集団を対象に成育特性の向上した高バイオマス系統の選抜を試みた. これらに加えて,バイオマス向上に関与することが予測される突然変異体の利用を考慮し、分枝性に関わる新規の変異体を中心に,原因遺伝子の同定と本遺伝子の導入による効果を検証するため交配集団を育成して形質調査を行った.
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